ららばい、きえたい私はきっと終始無表情のままだっただろう。自分のやるべきことはもうない。今のところは、朝音が死ぬ心配も、楼が死ぬ心配もありはしない。私はただ黙して成り行きを見守っていればいい。
「あ、名前!」
「なに?」
朝音が私の部屋の前で所在なさ気に立っていた。顔色は少し悪くて、なんとなくだけれど、楢鹿にいても朝音は変わらないのかもしれないと思った。
「あのね、わたしの友達が今日のことでいろいろ聞きたいことがあるって言ってるんだけど…」
「うん、いいよ」
「やった!じゃあ行こ!」
ぐいぐいと引っ張られる手に視線を落とすと、懐かしい気がして、少し笑った。朝音は気づかない。でもそれがいい。朝音と一緒にいるのは、ちょっと楽しい。
「みんな、連れて来たよ!」
「こんばんは」