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「わたし、隼人がだぁいすきなんだけど、隼人はあなたが気になってるみたい。それが恋愛対象としてなのかはわたしにも本人にすらもわからないことだけど、女の勘ってやつかしら。あなたきっとわたしの障害になるわ。まぁつまりね、わかりやすく言えば、あなたは目障り。邪魔、なのよ。死んでほしいところだけど、わたしの可愛さとひ弱さを目立たせたいの。だからそのための駒になってもらうわね。そうすればぜぇんぜん目障りなんかじゃなくなるもの。あ、もちろんあなたに拒否権なんてないわよ。逆らおうなんて思わないでね?わたしって、ちょーっと有名なとこの、社長令嬢ってやつなの。あなたごときいつだって潰せるんだから。あら、もちろんちゃんと従ってくれさえすればなんにもしないわよ。それくらい心得てるわ。そうね、上手く行ったらあなたの将来は約束してあげる。それに、さすがに命を奪うようなことはしないはずだし、させないようにもするし。もしそうなっても大丈夫。そうね、あなたの家族には、わたしの家の会社に入って毎日忙しそうですって言っておいてあげる。毎月お金を送ってあげてもいいわ。ね、いい条件でしょう?断る理由なんてもちろんないわよね。それじゃあ、明日からよろしくね!」

なんて身勝手な人。私はため息をつきながら、屋上から去って行った彼女のつけていた香水の残り香を振り払うように強く首を振った。あぁ、いっちゃんになんて報告しよう。気が重くなるばかりである。
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