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ぐっない、いきてね


ぱちり。私は今、目醒めた。昨夜購入した、すっかり冷えきってしまった缶コーヒーを口に含んだ。苦味が口にぶわりと広がる。小さく吐息をもらして、首にそっと触れた。鏡を見てもなんともなっていないはずなのに、なぜか痛い気がして唇を噛む。視線をずらせば、床でぐっすりと眠っているルームメイトの姿。

「起きて」
「…」
「……、」
「…いたっ」
「………、」
「いだだっいたいっおきてるおきてる!」

松葉杖の持ち手をぐりぐりと彼女の頬に押し付けると、叫びながら松葉杖を掴み起き上がった。

「コーヒー」
「飲む…」
「ん」
「っぐ…!」
「…」
「にっがっ!ちょっと!あたしがブラック駄目だって知ってんだろ名前!」
「目、覚めたでしょ」
「おーぱっちり!ってそうじゃねぇよ!」
笑いを堪えながらカーテンを開くと、そこから見えた島に、口を閉じて、真顔で視線を交わした。

「今日は3で割り切れる数だろ。嫌な予感がする」
「?」
「頑張れよ」
「うん」

片足の無い彼女、置田楼は笑って、ばしばしと私の背中を叩いた。


首はまだ、痛む。
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