long | ナノ


はろー、おともだち


「えっ…名前?」

始は酷いものだった。何が起きているのか、何が起きていたのか。何もわからないままで生き残った中には、未だ理解できていない者も多い。そんな人々を尻目にもくもくとパンを食べていたときだった。始のとき必死で探していたにも関わらず、一度も見ることのなかった彼女、朝音が心底驚いたように立っていた。

「なんで…」
「島が見えるからだけど…」
「まぁそりゃそうだろうけど!」
「友達?」
「あ、アイラちゃん!うーん、親友…多分」
「(多分…?)そうなんだ。私は比良坂アイラ。よろしくね!」
「…名前。よろしく」
「あ、あの、もしよかったらご飯一緒に食べない?ね、朝音ちゃん」
「うん、そうしようよ名前!」
「やめておく」
「そう?遠慮とかしてない?」
「うん」
「まぁもう食べ終わっちゃうもんね!じゃあまたねー!」
「うん」

彼女達が行った後、私は静かに席を立った。比良坂アイラが刀を使って戦っていたのは見たから、きっと、戦える人。彼女なら朝音を見捨てたりせずに護ってくれると信じよう。そして私は影からひっそりと彼女を護ろう。朝長に弱みなんて見せないように。朝音に朝長の手が伸びないように。
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -