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視線を感じて顔を上げると、ばちりと沢田綱吉と目が合った。にこりと微笑めば微かに頬を赤らめている。ああ、ちょろいな。

「沢田くん、」
「えっ?あ、苗字さん…!」
「名前覚えてくれたんだ!ありがとう!」
「苗字さんこそ…今まで話したことなんてなかったのに、」
「私、記憶力はいいんだよ!クラスメートの顔も名前も、もうバッチリ!それでね、お昼一緒に食べていい?」
「え、うん!もちろん!皆も喜ぶと思うし!」
「それはどうかなぁ…」
「え?」
「ん?どうかした?あ、お昼、先生と少し話してから屋上に行くね!じゃあまた後でねー!」

ぱたぱたと走りながら危ない危ないと首を振った。思わずもれた言葉は間違いなく本音ではあるけれど、まさかそれを言うわけにはいかないだろう。

「廊下は走っちゃいけません」
「あはは、ごめんいっちゃん!知ってた!」
「あ、そっちは…」
「うぐっ!」

とん、と誰かにぶつかって、ぺたりと尻餅をついた。ごめんなさい、と言って顔を上げると、資料にあった顔が見えた。たしか名前は、雲雀恭弥。

「君、転校生の苗字名前だよね。転校早々風紀を乱すなんて許せないな。…咬み殺す」
「え!?ごめんないっだぁぁあ!」
「うるさいよ」
「ぐえ」

トンファーで頭を撲られたかと思えば、次は首筋を思い切りたたき付けられた。べちょっと床にはいつくばると、満足したように鼻で笑って踵を返していった。

「いっちゃん…」
「何かな、ナマエちゃん」
「今の普通の女の子っぽくなかったですか!?」
「うーん、なんか違かったような…」
「何点くらいですかね」
「25点」
「まさかの赤!」
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