alien「初めまして!苗字名前です、アメリカからきました!よろしく!」
ぐるりと教室を見渡して、資料にあった顔は3つ、あった。ラッキー。心の中で呟いて、笑った。
「それじゃあ、苗字は頃宵の隣な。頃宵、手ぇ挙げろー」
「はぁい」
すらりとした細い腕が真っ直ぐに伸ばされる。頃宵と呼ばれた少女は、色白で、頬は薄く色づき、睫毛は長く、ふっくらとした唇は綺麗な色をしている。紛うことなき、美人だ。
「私は頃宵月匕って言うの。よろしくね!」
「うん!よろしく!」
にこにこと話しかけてきた彼女は例の3人と仲がいいらしく、休み時間になると、私との会話もそこそこにそちらへ向かって行った。性格はあまりよくないらしい。
「あの、私、笹川京子って言うの。よかったらお友達になってくれないかな…!」
ショートの髪を揺らして頬を淡く染めながら、勇気を振り絞ったように言った彼女に嘘はなさそうで、正直、頃宵月匕よりも彼女の方が可愛らしい。
「もちろん!」
私は満面の笑みでそう言った。