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はろー、にちじょう


戦いに必要なものってなに?優しさ?勇ましさ?それとも友情?それとも経験?大切なのは死なないこと。入学するまで、私は鬱々と考えていた。どんな文字にしたらいいのか。物凄く気は進まないけれど、死なないためには慣れたもので戦うのが一番。枝[エダ]と書かれた用紙を眺めて、これをどうするのかと首を傾げた。そんな私の文字、枝[エダ]は、おそらく本来は攻撃型ではなく、対象の動きを枝を巻き付けて止めたり、物理的な防御をするくらいの働きしかないだろう。なにせイメージがそのくらいしかない。

「枝[エダ]」

バチッと音を立てて、心臓から数センチ左にズレたあたりに、痛みと共に文字が刻まれた。多分。まさかワンピースタイプの制服をめくって確認するわけにもいかないのでどんな風に刻まれているかはわからない。

「儀式は終わりました。皆さん、自身の文字を確認して下さい。それが皆さんの、戦う為の文字です。これから皆さんは…あ…あ…あ、う…うぅ」

急にぼたぼたと両目から血を出した先生を見て、私はぴりりとした嫌な感覚を背筋に感じた。

「なるほど。文字ってよく出来てる」

そう言って迷わず先生の元へ行った後、彼は先生を窓辺へ誘導し、突き落とした。

「出るって書いてイヅルね。」

彼は命をあまりに軽く思っている。持っていたシャーペンがみしみしと音をたてた。
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