「おいリゾット」
「なんだ」
「ちょっとこっち来い」
 ソファに座って携帯を弄っていたプロシュートが、指をちょいちょいと曲げて俺を呼んでいる。読みかけの書類をその辺に置いて傍に行くと、こちらを振り返ったプロシュートに「話があるから耳貸せ」と言われた。
 何か発見でもあったのだろうかと思いながら、言われた通りに顔を寄せる。すると突然首に回ったプロシュートの腕に引っぱられ、頬にキスをされた。
「……」
「どうだ?」
「どうだって、何がだ」
「いや、こうすればエルメスの新作買ってくれるかと思って」
「……」
 何故だろう、ちょうど鏡の中から帰還したイルーゾォが、憐れんだ目でこちらを見ている。


(不意討ちできゅんとさせたかった兄貴。元ネタは某ツイート)


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