謳えない鹿3 | ナノ



忍者学校にも寄るが、其処に存在する学校にはそれぞれ特徴がある。

風魔忍者学校は暗殺術を主に学び、穏行と言った音を立てずに始末し何も無かったかの様に暗闇へと紛れ込んで消えるのが特徴だ。
忍び足は勿論だが、暗殺に使用する忍具の使い方、食事に混ぜる毒薬の調合に暗闇の中に長時間浸かる方法など様々だ。
フリーの忍者の様に表裏の様に幅広く受け持つ事を学ばず、暗殺者、穏行忍としての技術をたたき込まれる。
フリーの忍者に比べ、雇われにくい職ではあるものの、この職には前金と言う物が存在する。

暗殺者が主に雇われる内容なんて誰もが分かり切っている。
誰にもバレずに始末する。
その誰かを示すのは高確率で城の殿様や高貴な身分である貴族に豪族。
彼等は常に高い金で忍者を雇い、自身の周りを固くしている事が多いのだ。

そんな彼等を始末するには?

暗殺者しかいない。

勿論逸れを雇うにも高い金が求められるが、依頼人は其れとは逆に高い安心感がある。
高く金を積もれば積もる程に腕の高い暗殺者が雇え、暗殺者としての立場を理解している為に捕虜となった場合の処置を分かって居る。口を割らず、消えて逝く為に決して依頼者の事を告げはしない。

高い額で雇われれば後の生活がしばらく楽出来る。
暗殺者として教育されるのが風魔忍者学校の特徴だ。

そして、忍術学園。
この学園では一般的なフリーな忍者を教育する為の学園だ。
忍たま全てを統一せず、個性を殺さず、長所と言える逸れを高く迄伸ばす。
伸ばされた長所は既に持っている個性で更に能力は上がる。
特技を生かしその先にある依頼された任務をこなす。
しかし、それらの中で生きた彼らは暗殺者としては酷く不向きである。
稀にそう言った内容の依頼を受けたとしても、彼等は全般的な忍者としての知識を学んで来ている。確かに暗殺者としての技術を学んだとしても、きっとそれらの依頼を受ける事は無い。

暗殺者と違い、表立った世界を深く知り逸れを利用し、自身の能力へと取り込む。

フリーの忍者としての教育。

これが忍術学園の教育法だ。


山田利吉。
彼の通っていた忍者学校も忍術学園と同様、そつなく仕事をこなすフリーの忍者として教育を受けプロの忍者で活躍する。

こう言った様に忍たまを教育する学園、学校により育つ忍たまの技術、能力が異なるのだ。

そして、そんな数多く存在する学校の中。
とある忍者教育学園が廃校となった。
元々厳しい教育法だった為に、入学するも辞めたり命を落とす生徒が多く、卒業生が出るか出ないかと言う位迄な学園。その為、入学者も今は居らず、在学生も片手で数える位になり学園は廃校となった。

その学園にはどんな先生や生徒が居たかなんて知らない。
そもそも、学園がどこにあるのかも分からない。人里知れぬ山奥か?どこかの里の中か?
誰も知らない。

だが、唯一掴めたと言うのならば、其処の学園は一つの場所に留まる事が無い事。そして、フリーの忍者、暗殺者、と異なる忍者を育成している。

と言う不思議な話しだけであった。























101024

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