一周年企画小説 | ナノ





  


自身の腹を圧迫する力が加われば、誰しもが不快に思う。
それが睡眠に浸かっている時でも変わらず、グッスリ寝ている彼竹谷も同様であった。腹にかかる圧迫で、彼は静かに瞼をあける。ゆるりと首を動かした先にはふわふわした薄桜色、そして自身の腹へと回される細い両手にうなじにかかる浅い寝息により、ああ、やっぱり亮か。と目を細める。
は組から頼まれたある一件以来、亮は八左ヱ門の部屋で寝泊まりする事に成った。
初め彼との同室と成った時、色々と問題が起きたが今は無くなっていた。
その問題である一つは今し方の亮の寝方に合ったが、それに対する恥をやっと無くしたのは亮ではなく八左ヱ門。やっと慣れてきた彼はやれやれと、自身の真後ろで寝ている亮の頭をなでてやる。

今日は休日だ。
ゆっくり休ませて遣るのが友人としての………



「失礼します!!」


スパン!
と、清々しい音を立てて閉じられた襖を開けて現れた存在。
同時にバキバキ!と明らかに襖が外れ同時に壊れる音を耳にした彼は、慌てて起き上がる。
一体なんだ?!と真っ青に成った彼が顔を上げた先には、最上級生の制服。モサモサした髪を一つに束ねた長身の六年生、そして大破する部屋の襖。ああ、彼しか居ない。
其処に居たのはやはり6年ろ組、七松小平太。暴君で有名な彼が何故こんな場所に…いや、そもそも何故此の部屋に?!

先輩はパチパチとまばたきしては、俺の背中にしがみつく亮の姿を捉える。すると、失礼しますと慌ただしく部屋の中へと入ってきた。
そして未だに覚醒仕切らない亮を掴むや否や衝立にかけていた制服を手に取る。
そして亮と亮の制服を脇に抱え「失礼しました!」なんて何故か敬語で部屋を出て行った。

バタバタと慌ただしい七松先輩だったが、直ぐに部屋へと戻ってくる。
そして、ひょこっと顔だけを出した先輩が「彼、かり…借りていくぞ?」と、よく分からない疑問系で一言残しパタパタと再び走って行くのを見送った。






「…………は」














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