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「しかし、大川。貴公も随分と歳を食ったのう?杖を付いている姿からはかの有名な一流忍者とは全くおもわなんな」
「何を!?お前さんこそ!その若作りの塊を解いたらどうじゃ?!」
「ほほう、僻みか?嫌じゃのう。嫌じゃのう。歳を食うとそんな事にしか僻む事しか出来なくなるとは……うう、お労しいのぉ?大川よ」
「ええい!煩い!貴様また性懲りもなく勝手に学園に来おって、来るならば前日に連絡をしろと何度言ったら分かる?!」
「今の私にゃそんな事をする必要は無いのは、貴公にて分かって居ろうに?」
「それでも此方とらビックリするわい!」
「もし、それでぽっくり逝った日にゃ、私が彼方を案内してやろう。
思い出さないか?昔共に市で手を繋ぎ店を回った日を」
「今となっては黒歴史じゃよ。
まさか、お前さんがあの城の忍隊組頭だったとわのぅ……」
「私とて驚いたさ。大川があの有名な一流忍者だったなんてな。分かって居たらその場で始末しておったものを」
「それは、わしの台詞じゃわい。
それよりも今日は何の用じゃ?お主の教え子ならば、何事もなく生活して居るわい」
「ああ、さっき見てきたわい。
屋根で何やら騒ぎに巻き込まれて居た様だが、まぁ、元気そうで安心したわ。背丈もまた2寸程伸びた様だしの…、次また見る楽しみが出来たわ」
「………」
「それに、ちゃんと私が教えた事を守っている様だしの」
「………、良いのか?それで」
「…………今はそうして居るが、後の事は亮自身が決める事よ。」
「………」
「大川よ」
「お主の言いたい事位分かっておるわい」
「そうかい。
それを聞いて安心したよ。私は……」
了
100831
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現47-総86