百合籠 | ナノ





え?最近嬉しそうだって?
ああ!嬉しい事が有ったんだよ!
聞くか?聞くか?
え?聞かない?
まぁ、お前の意見なんて関係無いがな!まぁまぁ聞けって!
最近な、あいつが嬉しそうに色んな話しをしてくれるんだ!あいつ?あいつはあいつだ!俺っちの同室者!
ほら、あいつ無表情でよく下級生達に怖がられて居るだろ?だったら笑えって言ってもあいつの表情筋はガチガチだから更に喜怒哀楽が掴めない。
尚更、下級生はあいつの居る図書室へ行ったりはしないんだが…。
そんなあいつが最近、頬を緩ませて話す下級生が居るみたいなんだ!
しかも!あの一年生!
今の一年生は酷い。なんて聞くが、先生方は将来大物になるって言って居たからな!
え?話しを戻せって?はいはい!最上ちゃんはせっかちだな!
でな!あいつが居る時間帯によく来る一年生が妙に懐いて居るらしく、本の話しを色々するんだって。その一年生がどんな奴かはまだ見たこと無いけど、あいつの話しによると自分に似てるだってさ。
表情筋が固いのか?
まぁ、あいつに懐く位だから、悪い奴じゃないのは確かなんだと思うぞ!しかも話しを聞けば野沢の友達らしいくてな、よくつるんで居るってよ!
野沢に会えるチャンスかもな!
え?また話しがずれてる?
何の話ししてたっけ?
あ?ああ!あいつの話しな!でさ、もしかしたらその一年生図書委員会に入るかも!ってあいつが言ってたんだ!
ほら、あいつが委員長に成ってから図書室の利用者が減っただろ?
あいつは不器用だから上手く表情筋を動かせないし、笑顔どころか愛想すら作れない。そのせいで下級生達が更に図書室へ向かわなくなっただろ?
あいつも結構気にしているんだ。
自分のせいでせっかくの図書室を利用出来ない生徒が出るってな。
でも、その一年生のお陰でなんだか自信がついたかも!なんて聞けば嬉しいだろ?!
あいつが嬉しそうにしていると、俺っちまで嬉しくてな!
え?お前の話しも聞けって?
いや、いいよ別に!最上ちゃんの話しって委員会の後輩の話しばかりで…。
ん?
最近知り合ったばかりの一年生?
何!何!その話しスッゴい気になる!!


















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