夢小説 | ナノ




番外編06:罰ゲームと鉢屋先輩

「ああみょうじ、悪いが後で学級委員長委員会の部屋に来てくれないか? 学園長先生の突然の思いつきで作ってほしい物があるんだ。六年生には内緒で」
「了解ですにゃん」
「にゃん……だと………!?」


学園長が六年生へのびっくり企画を思いついたせいで色々準備が必要になった。そして用具委員会で委員長である食満留三郎先輩を除いて最年長であるみょうじに頼もうと普通に声をかけたらまさかのにゃん語で返って来た。
なにこれ可愛い!お持ち帰りしたい!


「な、何で語尾ににゃん付けてるの?めっちゃ可愛い!」
「罰ゲームですにゃん」
「四年生でやった双六の罰ゲームでーす。今日一日鉢屋先輩にだけ語尾に『にゃん』をつける」


ひょっこりと綾部が登場して真実を白日の下に晒した。何その俺得な罰ゲーム!?いいぞもっとやれ。
それにしてもお前は本当にみょうじにベッタリだな。というと、「鉢屋先輩にだけは言われたくありませーん」と来る。まあ確かに私も雷蔵ラブですけど!


「ってことはみょうじが負けたのか」
「負けちゃいましたにゃん」
「―――――〜〜っ」


今のは卑怯だ。
猫のおてて付きだった。

私があまりの可愛さに悶えていると、「それじゃあ失礼しまーす変態名人の鉢屋せんぱーい」と綾部がみょうじを連れて行ってしまった。
変態名人とは失礼な。お望み通り今度綾部に化けて褌一丁で学園内を練り歩いてやろうか。

そう思ったが、みょうじがガチギレしてきそうな気がしてやめることにする。
怒らせるの、ヨクナイ。














放課後。
委員会中に学園長の思いつき企画について全員で確認していると、戸の前に気配がひとつ。
「みょうじ先輩ですか?」と彦四郎が戸を開けて。
そして固まった。


「鉢屋先輩に呼ばれたので参りましたにゃん」


まだその罰ゲーム続いてたんですか。
それはいいとしてみょうじさん。あなたの頭の上にあるクソ可愛いその猫耳は何ですか?


「は、鉢屋。お前がみょうじのこと大好きなのは知ってるけど、いくら何でもこれは…」
「む、無理やり…ですか……?」
「こういうのパワハラって言うんでしたっけ?」
「何で私がみょうじに猫さんプレイ強いてるみたいになってるの!? 違うよ! 私の指示じゃないよ!?」
「そうなのみょうじ?」
「はい。今日一日鉢屋先輩の前でだけ語尾に『にゃん』を付ける罰ゲームですにゃん」
「……鉢屋…?」
「いやだから違うって!」


何でもかんでも私の所為にしないで!
庄ちゃんと彦ちゃんもそんな疑わしそうな目でこっち見ないで!
その後、中に入り「四年生でやった双六の罰ゲームですにゃん」とみょうじが言ったことで疑いは晴れた。


「日頃の行いが悔やまれますにゃん。鉢屋先輩ざまあ。ですにゃん」
「おい、今可愛い声で先輩の悪口言ってなかったか?」
「お口が滑っちゃいましたにゃん☆」
「くっそ可愛い!!」


上目遣いで猫のポーズしてウインクするみょうじが可愛すぎて叱れない。
超可愛い。あざと可愛い。


「それで、僕に作ってほしいものって何ですかにゃん?」
「ああ、それは、」
「うんうん、それは俺が話すからね。鉢屋はちょっとあっちに座ってくれる?」
「あっちって部屋の隅ですけど!?」
「うんうん、みょうじと距離を取ろうね。視線だけでもセクハラは成立するからね」
「何この勘右衛門、優しい口調なのにすごく傷つく…!」


真面目に委員会の話をしようとしたら勘右衛門に隔離されてしまった。
勘右衛門とみょうじが打ち合わせしているのを大人しく部屋の隅で体育座りをして待っている私。少し寂しい。
それにしてもみょうじの相槌が「にゃん」に統一されていて完成度高いんですけど、このドキドキを私はどうやってやりすごせばいいの?
あっ、庄ちゃんがゴミを見るような目でこっちを見てる。つらい。


「――――まあそういう感じで!分からないことがあったら俺か…俺に何でも聞いてね」
「今のところちょっと可笑しくないか私にも聞いていいんだぞ!委員長代理である私にも!」
「鉢屋先輩に聞きたいこと……喉が渇いたのでお茶を淹れて下らないですかにゃん?」
「それ質問じゃないよね!淹れてくるけどね!」


ハテナマーク付いてればいいってもんじゃないよ!
悔しい!でも尽くしちゃう…!

るんるんしながら帰ってきたら勘右衛門が「みょうじをよく見ておくんだよ。あれが『色』を使う、ってことだから」とか後輩に吹き込んでてその後輩たちが神妙な顔で頷いていて泣きそうになった。




振り回すというか、翻弄されてるっていうか、弄ばれたような感じになっちゃいました。
猫耳追加はタカ丸さんの仕業。ちなみに双六の罰ゲーム一覧↓

夢主  :鉢屋先輩の前でだけ語尾に「にゃん」をつける(タカ丸)
喜八郎 :立花先輩に執拗に膝かっくんしてくる(夢主)
三木エ門:潮江先輩の前でだけ語尾に「ぴょん☆」を付ける(タカ丸)
滝夜叉丸:七松先輩にタイマン挑んでくる(喜八郎)
タカ丸 :久々知先輩に豆腐の話題振って最後まで誠心誠意聞いてあげる(三木)

※()は考えた人。
滝夜叉丸の罰ゲームだけ命かかってるし三木は先輩の前で「ぴょん☆」とかいったら叱られるしその前に勝負に負けたとバレたらギンギン修行始まるしタカ丸さんは「それだけは、嫌。絶対に。」と目をマジにさせて勝ちに来たので負けちゃった夢主。
会う度に膝かっくんしたら立花先輩も多分怒るけど怒られても気にしない喜八郎。

滝夜叉丸が罰ゲーム考える権利は喜八郎に剥奪されました(特に理由のない理不尽)
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