夢小説 | ナノ




21:狐の自己嫌悪

みょうじと和解した後、ずっと心配だったことがある。
私は元の時代に帰れるのか?
みょうじは、私と一緒に戻るのか?

戻るという言い方はおかしいのかもしれない。元々みょうじはこちらの人間だから。
みょうじはずっと、ここに帰りたかったんだと思う。私が今、ずっと元いた所に帰りたいように。
だから、みょうじとは、ここでお別れなのだと。
せっかく仲良くなれたと思ったのに、別れるなんて寂しく感じるが、仕方のないことだと。

思って、いたの、だが。



「…だか、ら、僕は、きっと…ここには、いられ、な、い……」


ポロポロと涙を零しながら言ったみょうじの言葉に、私の心の中は複雑な想いが混じり合い、何も言葉が出てこなかった。
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