夢小説 | ナノ




01:子狐一匹

だって、仕方ないのです。
僕は、ここの生まれじゃありません。

ここは、室町時代です。
でも多分、僕の学んだ室町時代ではないのでしょう。

そんな所に突然ポンと放り出されて。
しかも身体は縮んでいて。
人の良い老夫婦に拾われて。
あれからもう六年程経ちますが、慣れないのです。

この世界に。
忍という生き様に。
僕と同じ子供たちに。



「――ああもう!お前はなんでそう鈍くさいんだ!!」



怒らないでください。
敵意を向けないでください。
攻撃しないでください。





怖いん、です。

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