夢小説 | ナノ




08:一ろと孫兵

天女様に怒られたので、大人しく後輩と戯れることにしました。
とりあえず平太を確保したので、捕まえておひざに乗せてきゃっきゃうふふしていたら一年ろ組がわらわら出てきた。
「みょうじせんぱーい…僕たちとも遊んでください……」だって。

やだ、かわいい。

日陰ぼっこしようね。仲良しでいいね。
クソ天女のせいで荒んだ心が癒されていくね。


「あ……もう委員会行かなきゃ…」
「僕も……」
「平太はいいなあ。みょうじ先輩と一緒の委員会で…」


しょんぼりしたろ組っ子たちによしよししてサヨナラ解散。
早く他の先輩方も正気に戻ってくれたらいいなあ。











「竹谷先輩なんてクソ。七松先輩はもっとクソ」
「本音出てますよみょうじ先輩」


伊賀崎に宥められながら小屋の修理に励む。
あの天女自爆事件から食満先輩がきちんと委員会に出てくれるようになった。監督責任が分散されて喜ばしい限りだ。
その食満先輩から生物委員会の小屋の修繕を頼まれた。のは、いいとしよう。
しかし人数が私一人ってどういうこと????

腹立ったから先輩権限で誰か連れて行こうかと思ったけど皆食満先輩が戻ってきてくれてはしゃいでたから、役に立たないじゃなくて、引き離すのは可哀相だった。
まあ穴ふさぐくらい一人で出来るもんと思って来たけど、私の想像してた穴と大きさが全然違う…。
これ穴じゃないよ。ほら、貫通してるから。通路だよ。風通しが良くていくない?


「風通し良すぎてうさぎが皆逃げちゃいますよ」
「散歩に出ただけだからすぐに戻るよ」
「確かにうさぎには帰巣本能がありますが……」


まあただの暇つぶしの会話なんですけどね。
委員会の後輩は誰も連れてこれなかったけど伊賀崎が手伝ってくれるから良しとしよう。
伊賀崎から板を受け取りながら釘で打ち付けていく。
暑さでたらり、と汗が流れるが生憎両手がふさがっていてどうしようもない。気持ち悪いけど我慢だ。


「……失礼します、」
「ん、」


伊賀崎くんが自分の手ぬぐいで汗を拭ってくれました。
この後輩とはあまり関わりがなかったけど、これが貴重なデレだということは分かる。


「ありがと」
「いえ。大した手伝いも出来ないので。…みょうじ先輩」
「うん?」
「この後仕事ありますか?」
「これが終わったら上がりだけど?」
「……水饅頭を頂いたんです。一人で食べるには多いんですが、三年で分けるには少なくて。良かったら…」
「誘ってくれるの?ありがとう。ふふ、それじゃあ頑張らないとね」




竹谷先輩ざまあ。


竹谷が通常通りならば竹谷先輩に訪れていたデレです。
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