夢小説 | ナノ




02:全校生徒と茶番

天から美しい女性が降ってきたらしい。
見たこともない衣を纏い、地面に衝突する直前ふわりと浮いたのだとか。それを七松先輩が受け止めたとか。七松先輩なら減速なしでも受け止められたと思う。


天から現れた、天女様。


誰が言い始めたのかその噂は瞬く間に学園中に広まった。
天女様はどうやらお手伝いさんとして学園に滞在することになったらしい。
全校生徒が集められた校庭で彼女の為に集会が開かれた。どこかで見た事のある薄桃色の着物を着た天女様ははにかみながらこう仰られた。


「私は園原愛美っていいます!分からないことだらけだけど、一生懸命頑張るので、えっとその、よろしくお願いします!」


にっこり。
その笑顔は大層可愛らしく、あちらこちらから息を飲むような音が聞こえた。
「よろしくおねがいしまーす!」とよいこのは組が返事をするのをBGMに、なまえはぽつりと呟いた。



「なにこの茶番」




見たことのある着物=上級生の女装用の着物。
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