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番外編02:鍵、閉めた?

現パロif話。
大学生の三之助くん。



俺一人暮らししてるじゃん。
先週末に徹夜でゲームしようと思って夜更かししてたんだ。電気代勿体ないから部屋の電気消して、うるさくないようにヘッドフォンして。そしたら急に電話かかってきてさ。
時計見たら夜中の二時。誰だよって思ったらなまえだったんだ。
どうしたんだろ、って思って出てみたら挨拶もなしに「玄関の鍵閉めた?」って。
玄関見てみたら鍵かかってなかったんだよ。そういえばさっきコンビニ行った後閉めてなかった。この間空き巣にやられて鍵変えたばっかなのに危ねーやべー、って、電話片手になまえにお礼いいながら鍵かけた瞬間、

がちゃん

って音がして、外からドアを引かれたんだ。
吃驚して固まっちゃったんだけど、すぐにドアスコープから覗いてみたら隣に住んでたオバサンだった。
会ったら挨拶するけど、互いの部屋を行き来するほど仲良くないし、そもそもこんな時間に無言でドア開けようとするなんて怖すぎだろ?
だからそっとチェーン付けて、そのまま部屋の中でやり過ごそうと思った。
理由は分かんないけどオバサンは執拗にドアを開けようとガチャガチャしてて気味悪かったよ。
テレビの近くまで戻った俺にさ、「カーテン閉めた?」ってなまえが聞いた。
閉めてないけど、って小声で言ったら「閉めた方がいいよ」、「テレビは付けてた方がいいよ」、「お隣さんが自分の部屋に帰ったら十数えて、静かに出て来れる?」、「出たら明日まで帰んない方がいいよ」って言われた。
マジかよやべーって思って鍵と携帯と財布だけ持って言われた通りに外に出た。全力で忍者して出た。前世が忍者で良かったわー。俺の部屋端っこで階段の横だからすぐ出られたし。

その後コンビニ着いたら何故か七松先輩が立ち読みしててそのまま朝方まで連れ回されてさあ。
なまえ?七松先輩に声かけられた瞬間電話切れてた。
結局家に帰ったの昼過ぎだったんだけど、アパートの前に人ごみがうじゃうじゃいてさ、何とかかき分けて先頭に出たら警察がいるし。何これ、って思ってここの○号室の者なんですけど、って警察官に言ったら目の色変えてパトカー乗せられた。

この後の話は警察の人となまえに話を聞いたのをまとめたんだけど。
何か、ウチのアパートで殺人があったらしい。しかも俺の部屋の階が全滅。犯人はお隣のオバサンだってさ。
あの夜、俺の部屋のドアを開けようとしたオバサンの手には包丁が握られてたらしい。そんで俺の部屋に入ろうとしたけど鍵がかかってて入れない。大家さんとこから盗んだ合鍵使ったけど、俺、ちょっと前に鍵交換してて合鍵渡してなかったから開かなかったわけ。
玄関から入るのを諦めたオバサン、自分の部屋に入ってベランダ伝いに俺の部屋のベランダに。カーテン閉まってるけど、テレビ付けっぱで外に出たから薄く光ってて、俺がまだ中にいるって勘違いしてガラスを割って侵入。
隅々まで調べたけど俺はその頃既にコンビニで七松先輩の餌食。
仕方なしにオバサン、同じ階の住人の部屋に合鍵で侵入して以下略。
ちなみにこのオバサンが何で合鍵持ってたかっていうと、大家の親戚だったんだって。マジで怖えー。
上の階もコンプリしてやろうと階段登ってたら匿名で通報があったらしくって警察が到着、そのまま御用となったらしい。
動機? さあ、意味不明なことを言ってて精神鑑定されるって聞いたけど。

後から七松先輩に、なんであの日あのコンビニに居たんですかって聞いたら、バイトの帰りに遊びたくてうずうずしてたらなまえから電話があったって。あのコンビニで待ってたら俺が来ますよって。

いやぁーなまえには助けて貰いっぱなし。マジで感謝。今度お礼しなきゃな。
そんでさ、今俺の部屋、現場検証だかなんだかで帰れないの。お願い作ちゃん、しばらく泊めてくれない?
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