夢小説 | ナノ




--:あとがき

▼隙間男
火薬委員会の話を書きたかったのですが、兵助の苦労話になった気がします。ごめん。
今回は発見した時になまえ視点だったのでホラー度控え目です。なまえからしたら隙間に何かがいたってこんなもん。
男が段々怒ったのはやっぱりなまえがずっと視ているから。なまえが視ているから自分も視線を逸らせない隙間男さん。チートななまえとの睨めっこでどんどんHPが削られていく隙間男さん。何するんだやめろと目で訴えるもなまえには通じず。
とうとう最後にはパチンと消えて無くなってしまいました。完全消滅したかは不明。とりあえず蔵からはいなくなった。
なまえは赤ちゃんみたいに視線があったら逸らさないイメージです。よく綾部先輩と見つめ合って周囲をハラハラさせてる。

そして今回、兵助が核心をついてきました。彼の考えは大正解ですね。三郎に言ったのは、神隠しの件で三郎も同じように何となくなまえの力に気付いていたから。
気付きながらも問い詰めることはせず、合鍵があったという形で収めました。きっとなまえに対する信頼がそうさせたのでしょう。
今後も注意深く用心しながらも言及は避け、サポートしていきます。可愛い子には旅をさせよ。後輩を成長させるのも先輩の役目ですね。

▼交換ノート
五年生コンプを目指して雷蔵さんに登場してもらいました。
優しい図書委員で交換ノート。久作が交換ノートに加わらなかったのは「送り花」で懲りたからです。どうせ上級生の悪戯だろ!と。
個人的に本に纏わる話をもうひとつくらい書きたかったので以前、一万打でいただいたリクエストを参考に図書委員会…と言いたいところですがこれは雷蔵の話ですね。

本から出てくる、あるいは反対に本の中に入ってしまうのはメジャーというか定番というか。
深読みすべきことが書いてあるページをめくって、めくって、緊張が高まってからああなんだ、悪戯かとホッとした瞬間にガラリと日常が崩れるという展開が結構好きです。
逃げるべきなのに目の前の出来事が異常すぎて動けない雷蔵さん。なまえが声をかけた瞬間、金縛りが解けたように身体が動きだしました。
なまえが拾ったノートが白紙に戻ってしまったのは「退散」というところでしょうか。
「紫の本」のように燃やされてはかなわないと思ったのか諦めて成仏したのか、あるいは…。
慌てて退散して後日ノートごと証拠隠滅。雷蔵の記憶以外は跡形も残りません。
怪異の怖い所は実際こういうところなんじゃないかなと思います。
絶対に見たし、あの時感じた恐怖も覚えてる。なのにその原因の物が消えてしまって、「もしかしたら、あれは夢だった?」と記憶に自信がなくなる感じ。
今回は雷蔵の聞きこみによって該当しそうな生徒の話を聞くことが出来たので、少なくとも雷蔵の中では「あれ」は夢ではなく現実として残ります。
それを兵助に伝えるべきか、いやしかし実際なまえは関わっていないも同然だし、変に心配させるのも…と悩むんだと思います。

あとこれは完璧に蛇足ですがなまえが図書室にいたのは完璧に偶然です。
そして相手の撤退が早かったので異変には何も気付かずに終わりました。

▼人を呪わば
とうとう学園の生徒さんに呪いに手を出していただきました。モブ六年生ごめん。
蟲毒って結構ホラー漫画とかアニメとかに出てくるので私の中ではメジャーなのですが一般的にはどうなんでしょう。
まあ毒虫を買い集めるのもなかなか大変そうなのでいないとは思いますが、やっちゃ駄目ですよー。一応。

そして毒虫ということで、今回はまた孫兵さんに出てきてもらいました。
なまえは嘘つくのは下手っぴです。嘘をつかずに勘違いさせる方面はけろっとやってのけます。本人にそういう意識はないので。
六年生の先輩に告白された孫兵。断ったら数日付きまとわれてイライラ。
一緒に行動することも多いなまえはそのことを知っていました。でも恋愛関係はプライバシー大事、ということで一生懸命内緒にしてましたが結局は隠し通せませんでした。

蟲毒を「貰う」ことは相当リスクが高いので孫兵が受け取る前にシャットアウト。なまえが珍しく怒りました。
先輩に叩かれた後、涙を出していますが痛みで泣いているわけではありません。なまえは怒ると泣いちゃうタイプ。
なまえの言葉から、自分が蟲毒をしたことがバレていると察した先輩は真っ青です。どうして知っているのか、そういえばコイツは「本物」が視えると噂になっている三年ではなかったか、と焦りまくり。結局山田先生に拘束されて事情聴取です。
ちなみに山田先生があと数秒遅かったら土井先生の怒り爆発でした。
だってなまえ泣いてるし頬腫れてるし。いやあ山田先生がいて良かったね(棒読み)

そして最後の会話を聞いていた左門は、皆さまお察しの通り迷子中です。どうして屋根の上にいるのか。
そしてそして、モブ六年生死んじゃいました。
人を呪わば穴二つ。ここでタイトル回収です。因果応報とも言う。
死因となった毒虫は蟲毒です。孫兵への呪いが失敗したため、術者である六年生にかえってきました。解毒薬は効きません。
事件の後、生物小屋を生徒から隔離したり孫兵が事故の時に学園長の庵にいたのは復讐を防ぐためです。六年生の部屋の天井にも見張りはいたというどこにも書いてない私の心の中にだけにある設定です。うまく入れれなかった…。

長々と書きましたが今回の話のミソというかポイントは、なまえは大福を視た瞬間から蟲毒だと気付いていたし、食べたら孫兵が死ぬと知っていたけれど、そこではなく「毒虫が大好きな孫兵に毒虫を食べさせようとしたこと」に怒ったという所です。こういう所にズレを感じて頂ければ嬉しいです。うん。
もちろん、邪魔をすれば先輩に呪いがかえることも知っていました。それでも躊躇なく孫兵を選ぶのがこのなまえです。

▼お供え物
六ろの影が全く見えないので(みえない君へだけに)(ここ笑うところですよ!)どっちか出そうと思いつつ、結局お二方に出て頂いたものの、なまえとの絡み少なすぎワロタという代物です。
小平太は私の中では無邪気な破壊神なのでここぞとばかりにやらかしていただきました。彼が蹴っ飛ばしたお供え物は、祠の主にとって最後のお供え物だったのと、代わりに何か持ってくるって念じてたのに持って来なかったのが重なりお仕置きされました。小平太にはポルターガイスト的なオカルトよりもこういう「やりたいことがやりたいようにできない」状態にされるのが一番辛そうなので神様がこういう罰を選んだと言う訳です。
小平太が持って行ったお供え物は、前回冒頭でなまえが雑渡さんにねだっていたお酒です。いくら室町時代でも十二歳じゃあお酒は買えなさそうなので財力のある大人におねだりです(笑)
きっと雑渡さんは何に使うのかすごく楽しみにしながら上等なお酒を持ってきたことでしょう。後で事の顛末を教えてもらうことと引き換えです。
朽ちた木の実が上等なお酒に変わったので神様は上機嫌で小平太の背中を元に戻しました。伊作にお礼を言いに行って確認の為に装束を剥がれて出てきたのはミミズ腫れなんて微塵も感じさせない背中で伊作が「マジで祟りだったんだ…怖…」とビビります。

ひっくり返っていたなまえは小平太に轢かれたと言うかコマのように回されたというか。よくあるアニメ的な表現でぐるぐる〜とされて目が回ってばたんきゅーです。
(余談ですがこの「ばたんきゅー」って今の若い世代の子に通じるんでしょうか…知るのがちょっと怖い気もします。若さってイイネ)

そして実は小平太、何度かなまえから貰ったお酒を飲んでしまおうと目論むも、取り出す度に何故か「これは飲んじゃだめ」と思い留まり、荷物の山の中へ埋もれていました。なまえがそうさせたのか、はたまた小平太の野生の勘なのか。お好きな方を選んでください。

六ろの考える担当の長次ですが(小平太は動き回る担当)、今回はなまえを問いただすことはしませんでした。それはなまえにあれこれ聞いても、きっと長次には理解できないのだと何となく悟っていたんだと思われます。
やるべき人が、やるべきことを。適材適所ともいいますが、上級生になるにつれてこういう割り切った考え方をしてくようになるんじゃないかと思います。これが潮江先輩なら多分めちゃくちゃ問い詰めてる。文次郎は物事に白黒ハッキリつけたいタイプっぽい。

ちなみにこの後、例の祠に何度も行こうとするけれど何故か辿りつけないという後日談があります。なまえに案内させてもだめ。でもなまえひとりで探すと普通に辿りつける。不思議な祠として学園の七不思議にランクイン決定です。

▼かごめかごめ
本当は怖い日本童謡的な。
かごめかごめの歌詞の意味を調べるとあちゃーとなりますのでご注意ください。かごめかごめは目隠しをして真後ろの人間を当てるゲームですが、霊力的な力が強ければ強い程よく当たるので、かごめかごめをさせて才能のある子供の選別をしているのだ、という設定を昔の陰陽アニメで見て「これや…!」と思いました。なのでメインは三治郎くん。山伏設定は活かすことに決めました。
しかしながら拙宅の三治郎は現実には「そういうモノ」は視えません。ただし鏡ごしだったり、水に写り込んでいたり、夢で視たりは出来ます。肉眼ではうっすらとモヤが視える程度です。今後成長するに従って力が伸びていくのか、はたまた大人になると消えてしまうのかは誰にも分かりません。

本文内で「」ではなく『』で括ってある発言は、誰が言ったのか思いだせない言葉です。なまえの「みんな」発言からも、そこにはナニかがいたのでしょう。
かごめかごめをしている最中の一はの良い子達は、場の雰囲気に呑まれただけであって、本人達は兵太夫を除き少しの違和感も感じられませんし、後から「さっきちょっと変だったね」と言われても「え?何が?」となります。兵太夫だけ無事だったのは、普段から三治郎から「そういう話」を聞いていたからと、事前に三治郎の夢の話を聞きかじっていたからです。
そしてなまえの乱入により、後ろの正面はなまえになってしまったので夢と同じく外れではありますが、なまえがいて後輩に手出し出来るとでも?と、いうことで相手は退散です。

三治郎と兵太夫はなまえが助けに入って来てくれたことには気づいております。
しかし元々オカルト耐性の強くマイペースなこの二人。特に態度が変わることもなく、他人に話すこともなく、今まで通りに過ごしていきます。
でも多分、今度同じようなことが起こったのなら真っ先になまえに相談に行くと思います。

そして蛇足ですが三之助と左門とジュンコはあの後無事見つかりました(笑)
帰り道は、なまえの道案内の元、一はでサンドしてみんなで手を繋いで帰りました。ジュンコはなまえの首にしゅるしゅると。

今回、少しだけ文字の色を弄って視覚的に攻めてみましたがいかがでしょうか。
PCから見ると良い感じな気もしますが、せっかくフォントを変えたのに私のスマホだと丸っこい可愛いフォントで迫力が全く無くて泣いた。

▼後書き
前回あとがきでもっと怖くしてやろうかぐへへとか書いたけどあまり怖くなってない気がしてならないです。
く、くそう…もっとジャパニーズホラーな展開を書きたいんですが難しいですね。もっと精進します!
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