夢小説 | ナノ




いやなゆめ


ゆめをみた。

山の中の小さな祠。
その祠の前に岩があって、そこになまえが座っていた。
なまえはじーっとどこかを見つめていて、寂しそうで、でもどこか満足そうな顔をしていた。
思わず近づくと、なまえと目が合った。なまえは嬉しそうに笑って立ち上がった。

なまえはすっと遠くを指さした。
その方向は、忍術学園がある場所。ここは裏裏山だ。
忍術学園の周りは、キラキラと綺麗な光に包まれている。
そこに向かって、黒いもやもやが迫っていくが、光に触れると溶けて消えていった。

あのね、おじいさん引退しちゃったから、僕がかわってあげるの。
でも、みんなに会えないの寂しいからやだって言ったら、特別だよって言ってくれたから、特別なのよ。
にっこりと、いつもの無邪気な笑顔に混ざって確かに窺えた悲しみに、気付かないわけがない。
なまえに何か言おうとしたけど、口は動くのに声が出ない。


『あのね、僕ずっとここでみんなのことみてるよ。みんなが楽しいと僕も楽しい。だからみんな楽しくしててね。そしたら僕も寂しくないよ』


なまえは、最後まで笑顔で、









『――またね、ばいばい』
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