夢小説 | ナノ




O型プロトタイプ01

夢主→←←雷蔵←←←←←←三郎(友情)

*典型的なO型な夢主
*両思いだけど雷蔵は夢主からの矢印にまだ気づいてない
*夢主は気付いてるけど雷蔵が一生懸命アピールしてきて可愛いから気付かないフリ
*三郎は夢主が苦手だから雷蔵に近づいて欲しくないけど雷蔵には幸せになってほしくて複雑













「なまえ先輩!」
「不破。何か用か?」
「あ、あのっ、先輩がこの間借りて行かれた本の返却が、明日までですので…」
「あれ、そうだっけ。やべー」
「出すぎた真似かと思ったのですが、その、」
「いやいや、ありがとな。毎回助かるよ」
「そうですか…!良かったです。それで、もし面倒でしたら僕が返却しておきますけど…」
「あー…。いや、いいわ。ついでに何か借りに行くから」
「そうですか…」
「放課後、暇ならお勧めの本教えてくれない?」
「は、はい!是非!!」
「よっしゃ。じゃあ放課後図書室集合なー」
「お待ちしてます!」


なまえの一挙手一投足に嬉しそうにしたりしょんぼりしたりといじらしい反応を返す不破。邪魔にならないように一歩下がって見守る伊作。
当の本人であるなまえは一貫して無表情だが、別に機嫌が悪いという訳でもなく、標準装備である。
身長差があるため必然的になる上目遣いでこちらの反応を窺う不破に、放課後の約束を取り付けると可愛らしい笑顔を見せてくれる。思わず頭を撫でると真っ赤になって去って行った。
去って行った先には仲良し五年生が待機しており、わいわいと騒いでいる。「良かったな!」だの、「後ひと押し!」だの丸聞こえである。
そんな中雷蔵と同じ顔をした三郎だけは浮かない表情で、なまえと目が合うと、竹谷の背に隠れながらキッとこちらを睨みつけてくる。


「いやぁ不破は可愛いなー。なまえのことが本当に好きなんだね」
「な。可愛いやつめ」
「でも鉢屋はなまえのこと嫌ってるよね」
「不破のこと大好きだからな、アイツ」
「でも鉢屋、なまえに突っかかってこないよね。すごい警戒してるよねアレだって全然なまえに近寄ってこないもんね」
「ただハンカチ噛み締めて俺のこと睨んでるだけだよな。あれはあれで面白いが」
「……鉢屋に何かした?」
「そういえば俺が三年生くらいの時に歳の差と体格差をフル活用して面を剥ぎ取ってやったことがあるな」
「後輩に何してるの!?」
「鉢屋泣いてたな」
「何でそんなことしたの!」
「何となく」
「もう!この気分屋!!」


基本的に面倒くさがりなのに、変なところで熱心さを見せるなまえは、供述の通り特に理由もなく鉢屋の面を剥いだんだろう。
熱しやすくて冷めやすい性質のため、とことん追い込んだ末に素顔を見た瞬間、興味が失せて大したフォローもしなかったに違いない。
後輩のメンタルが今更ながら気にかかった伊作は、今度話を聞いてみよう、と心に決めた。


「今更かもしれないけど、鉢屋にちゃんと謝っておきなよ。根に持つタイプだから」
「失礼な。ちゃんとその都度謝ってるぞ。その場で」
「……その都度?」
「ああ。昨日だって嫌がる鉢屋を抑えつけて無理やり面を剥いだ後誠心誠意謝ったら泣きながら許してくれたよ」
「もしかして三年前からずっとやってるの!?」
「アイツ反応面白いよな」
「可哀相!!鉢屋可哀相!!」


熱しやすくて冷めやすいが一度ハマるととことんのめり込むなまえの性格を思い出し、涙を禁じえない伊作だった。



途中から雷蔵じゃなくて三郎の話になってるけど気にしてはいけない…。

※全てのO型の人間がこんなんじゃないです。
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