神喰 | ナノ
一人で考え込んで馬鹿みたい。
コンゴウ討伐にて。
「うぎゃ!!」
榑林美華沙はコンゴウのエアブロウを回避出来ず倒れてしまった。
「美華沙!大丈夫か!!」
そこに上官にあたる雨宮リンドウが駆け寄り、リンクエイドをした。
「ほら、早く立て。またやられっちまうぞ。」
「あ..ありがとうございます。」
そう言ってリンドウは手を差し伸べてきた。美華沙は思いもしなかったことに驚きながらもその手を取り、立った。
美華沙が頬を赤らめているとリンドウは死ぬなよ、絶対に生き延びろと言ってコンゴウの処へと走った。
・・・―――
「やっと終わったな。」
「結構強かったわね。」
「帰ったらバガラリー見るぞー!」
と、サクヤ・コウタ・リンドウが言ってるとき美華沙は今日の助けてもらったことについて考えていた。
いつもいつもリンドウさんは助けてくれるけど私のことどう思ってるの?
やっぱり唯の新人扱いで上官として助けてくれてるだけなの?
私はこんなに好きだけどリンドウさんは?
考え込んでいた所為か、鎮魂の廃寺にいるのは美華沙とリンドウだけ。
リンドウは難しい顔をしている美華沙に話しかける。
「どした?何かあったのか?」
「はっ!リンドウさん!!あれ?みんなは..?」
美華沙は好きな人の顔を覗かれ、ビックリしてしまったが直ぐに話を変えた。
「お前が難しい顔してる間に帰っちまったよ。」
リンドウは肩をすくめ言った。
「そうだったんですか..」
「悩み事があるなら上官の俺が答えてやるぞ?ほら、言ってみろ。」
言いたくてもこの関係が壊れるのではないかと恐れて言いたく無いのに、そんなに軽く言われて。私の気持ちがどれだけ苦しいのか分かってくださいよ..。
思いが籠り過ぎて涙を零した。
「お、おい!どーしたんだよ!?俺なんかしたか?」
リンドウは訳も分からず涙を流している表情に焦っていた。
「リンドウさんには関係無いです!!あとから行きますから先に帰ってください。私に関わらないで!!」
泣きながらに言ってしまった言葉。
本当はこんなこと言いたくは無いと分かっている。しかし叶わぬ恋という現実が美華沙に言わせてしまったのだろうか。
「美華沙!!」
一瞬の出来事だった。今この状況を説明して欲しいと美華沙は願っているだろう。
「リンドウさん...?え..どうゆう..?」
リンドウの腕の中には美華沙が。つまり抱きしめられている。
「俺はお前が好きなんだ。そんな泣いてる顔は見たくないんだよ..」
思いもしなかった。
リンドウさんが私を好きになるなんて。
「リンドウさんはサクヤさんじゃないんですか..?」
凄く嬉しいことだ。しかしサクヤとリンドウが仲が良いことは誰もが知っている。
「あいつは何の関係もねぇよ。ただの職場の仲間ってだけだ。」
それを聞いた瞬間今度は今までとは違う涙が溢れた。
「お、おい!俺がお前を好きになったらヤバかったか!?」
依然として腕の中で泣くことに焦っているリンドウ。
「違います!!私もリンドウさんのこと大好きです!無理な恋だと思っていたのにリンドウさんも私のことが好きって言ってくれたから..嬉しくて...」
やっと本当のことが言えた..。
本人の前ではっきりと言うことは、なんて清々しいことなんだ。
「本当か!本当なのか!!」
リンドウは驚いて興奮のあまり2回も聞いてしまった。
「はい。本当です。」
美華沙は腕の中で笑みを浮かべた。
「そっか。良かった。俺達両想いだったのか。今までずっと片思いだと思ってた。」
私と同じことを考えてたんだ...
なんか嬉しい。同じことを考えてたんだと思うと嬉しくなる。
「よし。じゃぁ問題も解決したし帰っかー!」
リンドウはそういうといきなり美華沙にキスをした。
「っ..!?んふっ...んぁ」
「っは..」
リンドウからの大人なキスに酔いしれるとリンドウが美華沙を抱えた。
「うわ!」
「このまま帰るからな。」
「え!」
「お持ち帰り決定な。」
「え!!」
そしてアナグラへ帰ってからリンドウの自室直行だったとか。
(はぁ..んっ..あっ、だめぇ...いっちゃう..)
(っ..!)
END
裏じゃないよね?多分。
これの続きで裏書きたいかも。てか書くかも。