22話


流れてゆく赤、赤、赤…

いくら体を清めても僕に染み付いた汚れが落ちることは無い。

体を開かれるたび、人の命を奪うたび、黒に染まり、汚れてゆく僕の体…

朱に染まれば赤くなる。

慣れてしまえばただのゲームだ。

対人戦をした後こういう思考になるのはいつものことだ。

僕の感覚がおかしいのか、みんなもそうなのか、そんなの知らない。

興味もない。

亜麻色に染めた髪も赤く染まっている。

ふと、染めたわけじゃないのに自分と同じ色の髪を持った男の顔が頭をよぎった。

久しぶりに見た彼の顔は悲しそうにも見えた。

赤を落とした体を湯船に漬ける。

(…どう、思っただろう、)

今まで誰にどう思われようと、任務が成功すればどうでも良かった。

けれど気になってしまった。

誰にも聞こえない大きな溜息をつく。

どうして出たのかは僕にもわからない。

人を殺した後、いつも急に眠たくなる。

睡魔に抗いながらバスルームを出てバスローブを羽織りそのままベッドに飛び込んだ。


  
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