残念ながら、ベタ惚れ




「ねぇ、ゾロ!」
「………」
「ゾロってば!!」
「あ?……!?」




いつもの居眠り。
でも今日は少し違った。




「ねぇゾロ聞いてる!?」

「っ…!おまっ…顔近いんだよ!!」
「え?…わっ!ご…ごめん!!」




それは起きた瞬間、名前の顔があったこと。
しかも2人きりの時に…だ。

…どんだけ動揺してんだ、かっこわりぃ。




「…で、なんだよ?」

「あ、あのね!
あとでちょっと島についてきてくれない!?」




島というのは今おれらが停滞してる島のこと。
他の連中はルフィを筆頭に島に行ってしまった。
今はおれと名前で船番中。

てか、なんでコイツはこんなに顔が赤いんだ?




「…ムリだな」
「え!なんでよ!?」
「めんどくせぇ」
「ちょっとだけだから!!」
「眠い」




…ホントは行ってもいいけど
名前を見てるといじめたくなる。

なんだかな…。

そんなことを考えながら顔を上げると、今にも名前は泣きそうな顔をしていた。

…ヤベ、いじめすぎたか?




「うっ…ゾロのバカぁ!!」




名前はそういうと船を降りて島に走って行ってしまった。

それと行き違いに、ルフィたちが帰ってきた。




「ゾロー!!名前ー!!お前ら次島行っていいぞー」
「……めんどくせぇ」




タイミング悪すぎだ。
今島行ったら気まずいじゃねえか…。




「まあそう言わずに行ってみなさいって」
「なんだナミ、なんかあんのか?」
「おもしろい木があってね?…――――」

「…で、それがどーしたんだよ?」

「名前が…」
「!」
「誰かさんとやるって張り切ってたわ」
「………」
「ほら、行きたくなったでしょ?」
「…まあ、行ってやってもいいけどな」
「素直じゃないわねー」




俺はからかうように笑っているナミを背に、船を降りた。

…名前を追いかけて。









「…これか?」




島の中央にある変な形をした木。
これがナミが言ってた木か。

…にしても、名前はどこ行ったんだ?
迷子か?




「おい、名前でてこい!!」




…返事はない。
なんなんだアイツ。




「おい!!名前!!」




…やっと、わかった気がする。

名前をいじめたくなる理由が。
名前の行動が気になる理由が。
名前の名前を聞いただけで動揺する理由が。
名前の顔を見ただけで心臓が騒ぐ理由が。




「名前!!!」




なんで、やっとわかったってのに離れてくんだよ。

さっきは俺が悪かった。
謝るから…こんなことで仲が悪くなるなんてバカらしい。




「…もういい」




ここにいてもいなくても…、




「好きだ、名前」
「…!!」




そう言った瞬間、名前が別の木の影からでてきた。




「ゾ…ロ?なんでここに…てか、え?」
「…なんでお前そっちにいんだよ。迷子か」
「ゾっ、ゾロじゃないんだから迷子になんかならないよ!!」
「あ!?」

「そ、それより…さっきの…」
「…おう」
「本当に…?」
「だったら?」
「うっ…嬉しい!!」




名前はそういうとまた泣き出してしまった。

でも、すぐに思い出したように顔を上げた。




「ちょっ…ゾロこっち来て!!」




名前はおれの手を引くと、変な木…とは違う神秘的な木の近くに連れて行った。
…あの木は違ったらしい。




「ゾロ、大好きだよ」
「おう」
「…」
「…ん?」
「なんか他に言ってよ!!」
「…俺もだ…」




それを聞くと名前は嬉しそうに笑って…
おれにキスをした。




「…!!」
「へへっこれで一生一緒だよ!!」
「…馬鹿かお前…」
「馬鹿ってなによ!?人が頑張って…」




普通反対だろ…。
…女にキスさせるとか、かっこわり。




「やっぱお前馬鹿だな」
「な…っ」




名前がなにか言おうとしてたけど、
俺は構わず唇を塞いだ。



『島の中心にある不思議な木の前でキスをした2人は一生結ばれる』



「俺だってお前と一生一緒にいたいんだよ、バカ」




残念ながら、ベタ惚れ

(気づいたときにはもう後戻りできないくらいキミが好き)



+--+--+--+--+--+--+--+


わああああ!!
ゾロがキャラ崩壊してる!
口調迷子!

本当にすみませんでした(゜д゜)


御拝読感謝!
title:確かに恋だった様

2011.11.11.
2012.8.24. どんぐり





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -