約束をしよう




良く晴れた昼下がり。

おしゃれな喫茶店に赤が印象的な小さな女の子と不思議な雰囲気の男が訪れた。




「イヴ、おいしい?」
「うん、すごくおいしい!」
「そう、ならよかったわ」
「なんだか嬉しそうだね、ギャリー」
「そりゃまたイヴに会えたんだもの、嬉しいわよ」




美術館から帰ってきて数日が経ち、
イヴとギャリーは約束のマカロンを食べに来ていた。




「あ、そうだわ。
ハンカチ、ありがとうね」
「あ…」
「イヴ?」
「いいよ?まだ借りてても…」
「?ちゃんと洗濯したわよ?」
「だって…」




イヴは言いずらそうに言葉を詰まらせた。

ハンカチを返す"約束"やマカロンを食べに行く"約束"。
約束はもう全て今日果たしてしまった。

"約束"がなくなったらギャリーに会えなくなるんじゃないか。
そんな不安がイヴの頭をかすめた。




「ねえギャリー、また…会えるよね?」




不安そうに問う少女に、ギャリーは少し驚いた。

美術館ではしっかりした子だと思ってたけど、
この子も年齢相応の女の子なんだ。




「そんなの当たり前じゃない!これからはいつだって会えるわよ」
「そっかぁ」




イヴは安心したように無防備に笑った。

それ見て、ギャリーは少し顔を伏せる。
口元が緩んでいるのは自覚済みだ。




(…反則よ、その笑顔)

「あれ、ギャリーなんか笑って…」
「な、なんでもないわよ!」




焦るギャリーをイヴは不思議そうに見つめていたけど、
その目線はしばらくするとマカロンに戻った。




「本当においしいね、これ!」
「ふふ…やっぱりイヴは笑顔が一番ね」
「え…あ、ありがとう」




照れた顔も可愛いわね。

そう思う彼は完璧にロリコンだ。




「あ、そうだわ!」
「?」
「今度はタルト食べに行きましょうよ!おいしいお店、探しとくわ」
「本当?」
「ええ、約束よ」
「うん、約束!」



"約束"だからね。




約束をしよう

(これからも、こうやって繋げていこう)



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フリーホラーゲームのIbからです!
イヴのイメージ壊してしまったらすみません(´・ω・`)
ギャリーさんがイケオネェすぎて好きです。


御拝読感謝!

2012.5.23.
2012.8.25. どんぐり





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