追いかけたくなる年頃




「あ、ギル!」
「っ…」




最近ギルバードの様子がおかしい。
あたしの顔を見るとすぐ逃げてしまう。

…アホだよね。
逃げられたら余計捕まえたくなるっていうのに。





「おーい、ギルなんで逃げるのー?」
「なんでついてくるんだよ!?」
「そりゃギルが逃げるから☆」
「追いかけてくんな!」
「あーギル足速いから追いつけないー」
「がっちり着いてきてるから安心しろ!」
「あっはっは!ホントギルはおもしろいねぇ」
「面白くねえよ!」
「あっはっはって…わぁあ!?」
「!?」




こけた。
ついでに足もひねった。

あたしの声にギルが慌てて引き返してくる。




「痛てて…」

「なにしてんだ、バカ!!」
「あはは…やっと捕まえた」
「こんなときまで…ほら、足だせ」
「ねえ、なんで逃げるの?」
「…」
「ねえ、なんで顔赤いの?」
「っ!」




ギルの顔はまた更に赤くなる。
ホントギルってからかいがいがある。




「なに、あたしの生足はそんなに興奮…」
「手当て終了」
「痛ったぁ!!」
「バカなこと言ってないで帰るぞ」
「冗談だってのー…」




手当てしたスカーフの上から叩くなよ…。

そう文句を垂れながら立とうとしたけど…




「…あれ?」

「どうした」
「あっはっは、立てない」
「このバカ…。
ほら、乗れ」
「あ、じゃあ遠慮なく」
「…普通女は乗るの躊躇するもんじゃないのか?」
「なに、重い?」
「いや…軽い」
「…じゃあいいや」




ギルは本当にお人好しだ。

自分を追いかけてきた相手がこけたらわざわざ引き返してきて手当てしちゃうし
立てないって言ったらおんぶしてくれるし。

まあそんなギルが…、




「好きなんだけどね」

「なんか言ったか?」
「なんでもなーい」
「…おい、くっつきすぎだ」
「なに、興奮しちゃう?」
「落とすぞ」
「冗談だっての」
「はあ…」
「ギルちゃん耳真っ赤」
「っ!」
「そんなにあたしのこと好きなの?」




もちろん冗談。
返ってくる答えは決まってる。




「なに言ってんだバカ」
「やっぱりねー」




いつも同じ切り返しじゃ飽きちゃうよ?
ギルが言いたいことなんてほとんどわかるし。




「いや、」
「ん?」
「…好きに決まってんだろ、バカ」
「え…」
「あー、やっぱ落としてくか」
「なんで」
「今すぐ逃げたい」
「あっはっは、ギルはアホでヘタレだねぇ」
「なっ…」
「更に耳真っ赤だよ」
「まじで落とすぞバカ!」
「…ごめん、あたしも好きだよ」
「っはあ…ならさっさと言え」
「もう逃がさないからね?」




追いかけたくなる年頃

(あ、お姫様抱っこ希望)
(…あ?)



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友達に借りたパンドラ!
ヘタレなギルが好きです!
でもやっぱり口調わからないです!
ヘタレにしとけばいいやって勢いで書きました!←


御拝読感謝!

2011.12.26.
2012.8.25. どんぐり





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