蒼夜月




もう、ヤダなぁ・・・

城の庭で1人しゃがんでいた。

「私の居場所なんて、実際ないに決まってるもん」

戦国時代にトリップして少し経ったころ・・・

政宗様と愛姫様の関係に、少し辛く感じる

ついこの間までは、そんなこと思わなかったのに・・・

好きじゃないはずなのに・・・

「Hey!名前」

「あ・・・」

顔を上げると、政宗様がいた。

「・・・泣いてたのか?」

ばっと顔を逸らした。

「べ・・・べつに、泣いてはいません」

目に涙はにじんだけど、涙は、流していなかったはずだもん。

嘘は言ってない・・・

「どうした?何が辛い?」

政宗様は、とってもやさしい。

私がこっちの世界に来てからも、気づかってくれた。

でも・・・


時に、その優しさが私を苦しめるんだ・・・


「なにも・・・ない・・・です・・・」

スッと立ち上がった。

「何もねぇことはねぇだろ?」

「・・・・・たいしたことじゃ、ないので」

この優しさにすがってしまいそうで・・・

今すぐどこかへ行きたくなって、歩こうとしたら・・・

「stop!」

「・・・やだ」

涙が出そうになった。

すると、フッと抱きしめられた。

「な・・・なんですかぁ///!?」

「ほっとけれるか。」

「・・・・なんで?」

「Are you foolish?」

何で馬鹿になるんですか・・・

「アンタが好きだ」

・・・・

・・・・・

・・・・・・・

「えっ!?」

「好きだっつった。likeじゃなくloveで」

「だって、愛姫様が居るのに・・・」

そう言うと、頭を撫でられた。

「それで、泣いてたのか?」

「泣いてないですしっ!!」

なんか、嬉しそうな政宗様。

そして、ぎゅっと抱きしめられた。

「な・・・何するんですか」

「だってよ、俺はアンタが好きなんだぜ?」



[ 1/2 ]
← 



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -