約束のキスをもう一度




『僕ね、名前ちゃんと結婚する!』
『名前も梵と結婚するー!』
『じゃあ誓いのきすね』
『大きくなったら絶対だよ?』
『うん、約束!』



ちゅっ



『梵大好き!』
『名前ちゃん大好き!』











「…ああ、夢か」





懐かしい夢を見た。
あの日からちょうど10年が経つ。




「誓いのキス、ね…」

「Hey名前!遅刻するぜ!」
「…ねえ政宗。
誓いのキス、覚えてる?」




窓の向こう側にいる政宗に問いかけた。
どうせ返ってくる答えは決まってるけど。




「Hum?なんだそれ」
「だよね」




期待通りの返答、ありがとう。
私はそう言って、窓のカーテンを閉めた。




「what?なんだよ?」
「ちょっ…着替えするんだから開けないでよ変態!」
「Ah?なに言ってんだ。
そっちが目的に決まってんだろ!」
「突き落としてやろうか、変態」
「Oh…冗談だ、冗談」
「嘘付け!」
「…Ha、昔はもっとcuteだったのにな」
「悪いけど、もう子供じゃないんで。
…あ、でも」
「but?」

「私の想いはあの頃から変わってないから」

「Hum?」




伝わらない告白をした。
私にはこれが精一杯だから。

困惑している政宗をよそに、あたしは余裕の表情でクスッと笑って部屋を出た。











「…で、なんでこんなに遅いの」
「しょうがねえだろ!?名前の言葉の意味考えてたら時間が…」
「考えなくていい!」
「Why!?」
「いいから!ていうか考えるな!!」
「…shit、なんなんだよ」




そう呟く政宗を背に歩き出そうとすると、突然政宗に腕を引っ張られた。




「…な……っ!?」




ちゅっ




「!??」
「これが俺のanswerだ」
「え…っ」
「散々考えさせて考えるなはないだろ」
「ちょっ…意味わかったの!?」
「さあな」




政宗は意地悪に笑うと、呆然としている私を抜かして学校へと歩きだした。




「…なんなのよ」
「Ahー、そうだ名前」
「…なに」
「俺の想いもあの時から変わってないぜ」
「え…?」
「高校卒業してちゃんと進路決まったらgoal inするか。誓いのkissもしたしな」
「え…どういうこと!?」




困惑する私をよそに、政宗は楽しそうに口笛を吹きながらまた歩きだした。
…もう意味がわからない。

でも、





『約束だよ!』
『うん、約束!』






…まあ、いいや。




「政宗!
…約束だよ?」
「yes、約束だ」




約束のキスをもう一度

(忘れたなんて嘘をついて)



+--+--+--+--+--+--+--+


あー、本当に意味がわからなくなってしまった(´・ω・`)
政宗は結局、誓いのキスを覚えていたんですね。
いやー、すみません(^p^)

御拝読感謝!
title:確かに恋だった様

20120716 どんぐり





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