ごめん、もう笑えない
「慶次聞いてー!」
俺は今片思いしている。
笑顔で俺の元に駆けてくる彼女に。
なんで片思いってわかるのかって、
理由は簡単。
「今日も話せたよ!」
「お、…よかったじゃん!」
俺が彼女の恋の相談を受けてるから。
*
「はあーあ…」
なんで名前のこと好きになっちゃったかねえ…。
片思いなんてつらいだけなのに。
まあそれが恋ってもんなんだけどさ。
恋の相談はよく受けるけど、こんなに相談が嫌だと思ったことは初めてだった。
名前が俺に相談や現状報告してくる度に胸が痛くなる。
…こんなんじゃ近いうちに胸の痛みで死ぬんじゃないの、俺。
「慶次!」
「ん?どした?」
でも、相談されるようになってから好きになったんだからしょうがない。
こんな風に一生懸命想われたいって、そう思ってしまった俺が悪い。
女の子は恋をしてる時が一番輝いてるんだ。
その輝きが俺は好きだけど、こんなに眩しいくらい相手を一途に思う子は初めてだった。
「あ、あのね?」
「?」
いつも通りの相談。
…のはずなのに今日はどこか違った。
嫌な予感しかしない。
「実は…
付き合ってもらえることになったの!」
「…え」
いきなりのことに頭が真っ白になった。
いつの間に告白した?
いつの間に両思いになった?
いつもなら笑顔で本気で喜ぶのに、名前のことだから喜べない。
「慶次?」
「え、あっ、おう。
おめでとう、末永く幸せにな!」
「ありがと!」
作り笑いをしたのは初めてだった。
笑いたいのに、笑えない。
喜びたいのに、喜べない。
そんな自分が嫌で、また笑えなくなる。
「名前ー」
「あ、彼氏が呼んでる」
彼女がいなくなった教室はうるさいのに静かで、
他の声はあまり耳に入ってこなかった。
俺の目に写ってるのは、名前の幸せそうな笑顔だけ。
…その笑顔を俺に向けて欲しかったなんて、叶うはずもなかったんだ。
「…思ったよりきついな」
誰にも聞こえないように言った呟きは、教室の隅で溶けて消えていった。
ごめん、もう笑えない
(作り笑いはもうしたくないから)
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初KGです!
口調わからないのに書いた勇者(^p^)←
またアニメで勉強しようと思います。
ていうかKGが片思い嫌とか言っちゃだめですよね(´-ω-`)
御拝読感謝!
title:確かに恋だった様
20120713 どんぐり