ごめん、もう笑えない




「慶次聞いてー!」





俺は今片思いしている。
笑顔で俺の元に駆けてくる彼女に。

なんで片思いってわかるのかって、
理由は簡単。




「今日も話せたよ!」
「お、…よかったじゃん!」




俺が彼女の恋の相談を受けてるから。









「はあーあ…」




なんで名前のこと好きになっちゃったかねえ…。
片思いなんてつらいだけなのに。
まあそれが恋ってもんなんだけどさ。

恋の相談はよく受けるけど、こんなに相談が嫌だと思ったことは初めてだった。
名前が俺に相談や現状報告してくる度に胸が痛くなる。
…こんなんじゃ近いうちに胸の痛みで死ぬんじゃないの、俺。




「慶次!」
「ん?どした?」




でも、相談されるようになってから好きになったんだからしょうがない。
こんな風に一生懸命想われたいって、そう思ってしまった俺が悪い。
女の子は恋をしてる時が一番輝いてるんだ。
その輝きが俺は好きだけど、こんなに眩しいくらい相手を一途に思う子は初めてだった。




「あ、あのね?」
「?」




いつも通りの相談。
…のはずなのに今日はどこか違った。

嫌な予感しかしない。




「実は…


付き合ってもらえることになったの!」





「…え」






いきなりのことに頭が真っ白になった。

いつの間に告白した?
いつの間に両思いになった?

いつもなら笑顔で本気で喜ぶのに、名前のことだから喜べない。





「慶次?」
「え、あっ、おう。
おめでとう、末永く幸せにな!」
「ありがと!」




作り笑いをしたのは初めてだった。
笑いたいのに、笑えない。
喜びたいのに、喜べない。
そんな自分が嫌で、また笑えなくなる。





「名前ー」
「あ、彼氏が呼んでる」





彼女がいなくなった教室はうるさいのに静かで、
他の声はあまり耳に入ってこなかった。
俺の目に写ってるのは、名前の幸せそうな笑顔だけ。

…その笑顔を俺に向けて欲しかったなんて、叶うはずもなかったんだ。




「…思ったよりきついな」




誰にも聞こえないように言った呟きは、教室の隅で溶けて消えていった。




ごめん、もう笑えない

(作り笑いはもうしたくないから)



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初KGです!
口調わからないのに書いた勇者(^p^)←
またアニメで勉強しようと思います。
ていうかKGが片思い嫌とか言っちゃだめですよね(´-ω-`)

御拝読感謝!
title:確かに恋だった様

20120713 どんぐり





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