雨のち晴れ、時々虹




「Hey名前、なにしてんだ?」
「あ、政宗様」




雨が好き。

そう言うと、みんな私のことを変わってると言って笑った。


貴方は、わかってくださりますか?






「外を、見ていたのですよ」
「外?why?」




政宗様は不思議そうにそう言うと、私の隣に腰掛けた。
そこには木々しかなく、雨も降っていて外は暗いから不思議がるのも無理はない。




「雨を、見ていたのですよ」
「rain?why?」




さっきと同じような会話をもう一度する。
政宗様の顔はさっきよりも不思議そうだった。




「雨が好きなんです」
「Hum、rainがか」
「雨の音も、土の匂いも、
あと…雨が上がった瞬間が一番好きです。
木々についた雨が日に照らされてキラキラ光って、たまに虹がかかるんですよ」




一通り喋って、しまったと思った。
浮かれてつい喋りすぎてしまった。
いくら政宗様でも雨について語りまくる女なんて、引いただろう。




「あ、えと、変わってますよね。
…冗談です」
「変わってるか?」
「え?」
「正直俺はrainがあんまり好きじゃねえ」
「…え」




この流れで予想外の発言だったけど、
その言葉には続きがあった。




「But、名前の話を聞いたらそういう見方もあるんだなって思った」




空が明るくなる。
いつの間にか雨はやんでいて、雲の隙間から隠れていた日が顔をだした。
木々はきらめき、花も嬉しそうにキラキラと光っている。
そして…




「わあ、大きい虹…」
「Ha!It's beautiful」




政宗様は「名前の言うとおりだ」と言って笑った。




「雨も、結構いいな」




初めて、わかってもらえた瞬間だった。




雨のち晴れ、時々虹

(たまには雨を眺めるのも良いでしょう?)



+--+--+--+--+--+--+--+


最近雨が多いので。
ちなみにどんぐりは雨が嫌いです。
髪は広がるしはねるし頭は痛くなるしで…
でも虹は好きです。

御拝読感謝!
20120620 どんぐり





第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -