ファーストキスは突然に




「ねえトシ!」
「あ?なんだよ」
「今日何の日か知ってる?」
「子供の日だろ?知ってるよそんくらい」
「そうだけど違う!」




今日は5月5日。

子供の日でもあるけど、
トシの誕生日でもある日だ。

まあ覚えてないのなら好都合。
驚かしちゃおう。




「じゃあさ、目つぶってよ」
「なんでだよ」
「いいから!」
「ったく、なんなんだ…」




そう文句を言いながらもトシは目をつぶってくれた。

かっこいいのは知ってたけど、
目を閉じると余計綺麗だななんて思ってしまう。

別に変なことをしようとしてたわけではないけど少しドキッとした。

その顔がまるでキスを待っているようで…。




「?そろそろ開けても…」
「あ、ちょ、待っ…」


ちゅっ


「!」
「!?」




顔が赤くなっていそうだったから慌ててトシの目を隠した。
…でも勢いがよすぎて、そのまま目を開けたトシと…




「おい…」
「わあああ!ごめん!!」
「別に付き合ってるからそんなに焦んなくてもいいだろ」
「でも…」




あたしはこれがファーストキスで、
トシとのキスももちろん初めてで…。



「はあ…そんな落ち込まれると若干へこむんだけど」
「あ!別に嫌とかそういうわけじゃなくて…」
「目ぇ閉じろ」
「え?」


ちゅっ



本日二度目のキス。
でも今回のはさっきのと違って柔らかくて優しいキスだった。




「さっきのはナシだ。今のがお前のファーストキス」
「え…」
「文句あるか?」
「いえ、滅相もない、です」




まだ頭が少しぼーっとしてる。
それくらい、突然のことが一気に起こった。




「…で?結局なんなんだ」
「あ、そうだプレゼント!」
「ああ、俺の誕生日か」
「知ってたの!?」
「そりゃ朝からさんざん近藤さんに言われたからな」
「なんだぁ…」




知らないならサプライズしようと思ったのに…。




「あの、大したものじゃないけどこれ、マヨネーズのストラップ」
「ああ、悪いな。いろいろもらって」
「?あたし一つしかあげてないよ?」
「結構高価なもんもらったよ」




トシはそう言うと、あたしの唇に触れて笑った。




ファーストキスは突然に

(世界に一つの誕生日プレゼント)



+--+--+--+--+--+--+--+


あれ、なんか土方さんが変態チックに…。
たまーに筆頭とかぶります(´・ω・`)

土方さんの声頭の中で再生すると、何故かツッコミの声ばかりでてきます。
クールな声は何処…。

御拝読感謝!
20110505 どんぐり





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