陸奥守とウインナー目玉焼き丼

※方言間違っていると思いますが生暖かい目で見てください



お酒を飲んだ日の朝っていうのはどうしてこうもお腹がすくのだろうか。
あんなに食べて飲んだはずなのに、脳がおかしくなっているからだろう。そういえば昔、テレビか雑誌で糖分をエネルギーとして使うからうんたらかんたらとかいうのを見た気がする。
とにかく飲んだ翌日というのは決まっておなかがすく。

それにしてもまだ朝日が昇った頃なのに、トイレに起きてそのまま目がさえてしまった。皆はまだ寝静まっている。今日は午後からの出陣予定だ。昨日の宴もあって午前中は皆自由に過ごして貰うし、朝御飯も遅くなると伝えてえる。

さて、じゃあ今日の朝御飯何を食べようか?
私と同じでお腹がすいている人は多い気がするが、勿論そこまでって人も多いだろう。
いつも通りご飯お味噌汁、あとは好きなものをとれるよういくつかおかずを用意しとくのが正解。
けど、困った。がっつり丼物が食べたい…。どうしたら違和感なく丼物をいただけるだろう。

悩みながら厨へ向かうと先客がいた。陸奥守だ。

「おう、おはよう」
「お早うございます、はやいですね」
「それを言うたら主もぜよ」
「ふふ、そうですね」

そういえば彼はここで何をしているのだろう。水をのみにきたのか、私と同じく朝御飯の事を考えてここへきたのか。

「陸奥守はどうしてここへ?」
「あー…実は腹が減ってはよう目覚めよってな、なんかないか見ちょった」

照れたように笑っているが、私も同じですというと一瞬キョトンとした顔をしてまた笑い始めた。

「でもこんな時間に食べてしまっては他の人たちからブーイングがきそうなので、朝御飯をいかに周りにばれずにがっつり食べられるか、食材の確認をしに来たんです」
「なるほど。よっしゃ!わしも同じやき、一緒に考えるぜよ」
「ありがとうございます!」

ということで、陸奥守と秘密の作戦会議が始まった。

昨日の宴の残りものが結構ある。しかしつまみとして食べるものばかりなので、これらは夜に酒飲み達のために、豚汁はまた今晩の汁物として食べる予定なので朝は食べない。よって昨日の残りものは朝御飯では使えないものとする。

「陸奥守は今なんの制限もなく、なんでも食べていいといわれたら何を食べたいですか?」
「そらカツ丼ぜよ。がっつり米がええの〜」
「わかります!私も牛丼とか食べたい気分です。とにかく“丼”ですよね!」

こんなところまで意見があうと思わなくて、皆が寝ているのも忘れて強くハイタッチしてしまった。夜食会もそうだったが、こうして皆に内緒で何かをするのは自分が思ってる以上に気分が高まってしまう。

「朝飯はさりげなく丼で決まりやね」
「ええ、そうすると…卵はのせたいですよね」
「おう、ほんで、肉も必須ぜよ」
「そうなると温泉玉子は丼には最適ですけど、おかずとしては食べにくいですから目玉焼きとかで出したらいいですね。お肉は…んー、お肉だけを焼いて出すのもおかずとしては物足りませんし、そうすると加工肉を焼いて出した方が自然ですよね」
「それじゃったらウィンナーとかどうじゃ?!」
「最高です!」

ご飯に目玉焼きとウインナー…。ああ、もうそれだけで最高のご馳走だ。

「漬物も添えたくなってきますけど、それは毎食でてますし、ご飯のお供としていつも出してるめかぶとかものせてもいいですね」
「納豆もぶっこみたいにゃあ」
「ああ、そうですね。考えてみましたけどご飯のお供として出してるものだけのせても最高ですね」
「やけど、想像してしまったきね、目玉焼きとウインナーは絶対譲れんぜよ」
「勿論私もそこは譲れません」

そこからの会議は直ぐに終わった。
目玉焼きと卵焼き、好きな方を選べるよう作る。ウインナーのほうも陸奥守達が作った厚切りベーコンを選べるようにして焼く。
野菜類は大根のサラダとキャベツと人参の生野菜の二種類。
あとはご飯のお供達。

さりげなく丼を作れる最強の布陣だ。それに今食べたいのは目玉焼きとウィンナーの丼だけど、いざそれらを目の前にしたら、卵焼きにウインナー、ベーコンと目玉焼き、とか何パターンも作れるようにできている。

迷っちゃいますねと陸奥守と作戦中話して、じゃあそのときになったらお互いに丼見せあおうかと、誰がどう聞いても浮かれた約束をしていた。

作戦会議が終わってから、もう準備しても問題ないよねとお互いに身支度を手早くすませて厨でせかせかと動いた。あぁ、はやく朝御飯が食べたい。


…………


「「「いただきます!」」」

すこし遅めの朝御飯。わいわいガヤガヤと昨日の宴の疲れなんか感じさせないくらい皆元気だった。(宴の途中次郎太刀に無理やり付き合わされていた長谷部と加州は気分悪そうだが…)

しかし私は先程した約束のための“モノ”を作るのに忙しかった。
目玉焼きにやはりウインナー。それに漬物と、あと最近通販で買ってみた山わさびの醤油漬け、あと…あ〜やっぱりめかぶもほしい!

いそいそと最後のめかぶを乗せたところで、陸奥守と目が合う。どうやら向こうも完成したようだ。
彼が私の隣へ移動してきたところで、「せーの」と小さく合図をする。

「「じゃん!」」

彼の丼は目玉焼きにウインナー、納豆に梅ひじき!!

「「あ〜〜!!」」

お互いに声が揃ってしまった。けど、どうやら向こうもその手があったか、と私と同じことを思ったらしい。

「山わさびとは…げにセンスがええの」
「いえいえ、梅ひじきもなかなかですよ」
「はは」「ふふ」

隠す気がなかったのは勿論なのだが、直ぐに周りの者たちに何をしているのか気付かれて、大倶利伽羅や愛染を筆頭に大半が自分の丼を作り上げていた。


20230627

[ 15/80 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -