女性の身体の性体感部分の内の一つでもある胸を触られ初めてから一体どれ程の時間が経ったのだろう。




「ひぃ…っ、んん…」




 逃げ出すことが出来ないよう自身の背後に回り、尚且つ抱き締めるような体勢をとって胸をまさぐってくる霧野の愛撫に狩屋は身を震わせれば、長いことしゃくり上げた声色で声を漏らしている。




「せ、…せんぱ…っ…い」




 中性的な見た目とは裏腹に意外と変態じみた行為を好む霧野は狩屋の衣服を脱がせるわけでも着込ませるわけでもなく、適度に着崩させた状態で狩屋の着ている雷門中学校指定の制服の胸部分のボタンを外せば幼稚な縞模様のブラジャーのカップ部分の上に狩屋の胸を乗せるようにして彼女の胸を外気に晒させている。
 ブラジャーの上に盛り上がって乗っている二つの膨らみは元々狩屋が鳩胸だという理由もあってか普段よりも少し大きく見え、巨乳を好む霧野を更に煽らせているのだが勿論霧野はそうなることを知っていてわざとやっていたりするのだ。中学生である狩屋にとって決して安くはないブラジャーは勿論狩屋本人が直接自分の足で下着屋などに出向いて月に一度だけ瞳子から渡させる小遣いで購入している物だったりするのだがやはり一枚千円近くもするブラジャーを多少カップが崩れてしまったからという理由で何度も買い直すわけにはいかず、気づいた頃にはいつの間にか狩屋の所有しているブラジャーの殆どはくたびれていたのだった。しかもそれが霧野の視感的な欲望の為だけに崩されているのだから狩屋としては堪ったものではない。
 現に体育の授業などで衣服を脱衣する際、狩屋は一緒の教室で着替えを行っているクラスメイト達に自分の情けない下着を見せるのが嫌で嫌で仕方がなかった。だから制服から体操着に着替えたり、体操着から制服に着替えたりと嫌でも下着姿にならなくてはいけない状況の時は最善の注意を払いながら一人教室の隅っこで着替えを行っていたのだ。勿論、挙動不審になりながら周囲を見渡してこそこそと着替えている狩屋のことを不審に思う者も少なくはなく、狩屋は事あるごとにどうしていつも隅っこで着替えているの?なんて出来ることなら触れてほしくない質問攻めにあっていたのだった。




「せ…、せんぱ…っ…、痛…い…。…痛い…から…!」




 随分と長い間、弄くり回されていた狩屋の乳首は普段よりも赤く腫れ上がって痛々しく、摩擦によって擦られた其処は既に快楽を通り越して痛みさえも感じさせているのだ。まるで指先を紙で切ったようなチリチリとした痛みは狩屋の身体に負担しか与えず、狩屋は霧野によって拘束されてる身体を捩らせるとこれ以上、触れないでほしいと悲願した。だが、そんな狩屋の願いを霧野が受け入れるはずもなく、霧野は自身の腕の中で身を捩らす狩屋のことを面白がれば自身の手の内にある二つの突起を力強く摘まみあげたのだった。




「ひぎぃ…っ、ぃ…ぃ…っ?!!」





 思いもよらない突然の刺激に狩屋は奇声じみた叫び声を上げれば目尻に涙を溜めて痛い、痛いと連呼した。霧野は狩屋に背を向けられた体勢をとられている為、狩屋の苦痛を訴える表情を拝めることが出来ないことを心底残念がったが代わりに苦痛を訴える声を楽しむことに専念し始めると狩屋の乳首を摘まむ指先に先程よりも強い力を込めた。
 まるで握り潰すような勢いで乳首を摘まんだかと思えば今度は指の腹で擦り切れた乳首を撫で、狩屋の声が甘いものに変わり始めてきた頃にまた強い刺激を与える。時には爪を立てて皮の薄い乳首を刺し、親指と人差し指の先で其処を抉るように何度も何度も擦り合わせれば、強く引っ張り、押し潰す。狩屋が同じ刺激に慣れないように何度も何度も触り方を変えながら暫くの間、其処を弄り続けていると今まで離せだの痛いだのと暴言を吐いていた狩屋の口からは嗚咽混じりの喘ぎ声が漏れ始めたのだった。




「っ…く、…痛い…よ…、せんぱぁ…い…、あぁ…っ…、いた…い…!…ひぃ…っ…、ん…!」




 舌が上手く回りきれていない舌ったらずな口調からしてきっと狩屋は本気で痛がっているのだろう。言葉を発す度に口元から聞こえてくる微かな粘着性のある水音に霧野は酷く逸られるとだらしなく口を開けて涎を垂らす狩屋の表情を一目見てやろうと狩屋の顔を覗き込んだ。




「はは、やらしいな」




 霧野が狩屋の表情を見て、第一声に吐いた言葉は大切な恋人を自分の手によって泣かせてしまったという後悔の言葉でもなければ痛みを与えてしまった身体への労りの言葉でもなかった。
 頬を耳まで真っ赤に染め上げながら眉尻を下げ、瞳からは止む気配を一切見せない涙をぼろぼろと溢れ返させている表情をしたそんな恋人を霧野は少しも可哀想だとは思えなかったし、寧ろもっと泣かせてみたいと思ってしまったからだ。
 それに心なしか狩屋は霧野から与えられる拷問紛いの愛撫に感じているようにも見える。もしや…と、思った霧野が狩屋の恥部に触れてみると其処は下着の上からでも分かるくらいに熱を持っていて、まるで小便を漏らしたかのようにぐっしょりと濡れていた。




「お前、濡れすぎ」

「だ、だって…ぇ…、ん…っ」




 もはや本来の役目を果たしていない程までに濡れてしまっている下着の上から霧野は狩野の陰核を爪先で数度擦り上げると下着越しにも関わらず自身の指先をぬるつかせる其処にすっかり気を良くして思わず鼻で笑ってみせた。




「あう…っ…、あぁ…っ、…やらぁ…!」




 霧野は狩屋の陰核に触れている自身の中指に力を入れると今度は指の腹を使って其処を刺激し始めた。指先を巧みに使ってこねくり回すかのように其処をぐりぐりと刺激すればもはや狩屋の口からは快楽によって生みだされた甘ったるい喘ぎ声しか聞こえてこない。
 霧野と出逢うまで性に対して無知だった狩屋の身体は既に霧野によって多少乱暴な扱いをされたとしてもきちんと反応するように開発されており、今やじんじんと鈍い痛みを感じさせている乳首の痛みでさえも焦れったい快楽を狩屋に感じさせていたのだ。そして長い間、弄られていた乳首への愛撫が急に途絶えてしまった狩屋は先程まで離せ、触るなと文句を垂れていたことがまるで嘘だったかのようにもう一度其処を弄って欲しいと思っていた。
 一度でもそんな願望を自身の胸に抱いてしまえば快楽に堕ちていくのは容易いことで狩屋は自らの腰を揺らしだすと更なる快楽を求めて霧野に強請った。




「腰、揺れてるぞ」

「き…ぃの…っ、せんぱ…っ…ぃ…、もっ、と…ぉ!!…もっと、俺の…お…ぉ、まん…こ…っ…!!!…さわ…っ…てぇ…!」

「んー?」

「だ…から…っ、いっぱ…ぃ、触って…よぉ…っ…!!!」




 遂に本格的に涙を流し始めながらしゃくり上げた声で性的な要求を望んでくる狩屋の姿は彼女がまだ中学一年生だということを思わず忘れてしまうくらいに、いやらしく、霧野の加虐嗜好を酷く煽るものだった。そして霧野もまだ若い年頃の男である。恋人の破廉恥な姿を目の前にして我慢など出来るはずがないのだ。




「ふぅん。…なら、ちゃんとお強請りしてみせろよ」




 中々、自分の感情を他人に晒け出すことをしない狩屋の性格上、既に充分過ぎるぐらいのお強請りを成し遂げたと普段ならば尾ひれを付けて褒めてやりたいものだが今の霧野はそんな年上ならではの余裕を見せれるはずもなく、狩屋に更なる隠語強制を強いたげてみせると不敵な笑みを見せて小さく微笑を漏らした。霧野が自分だけに見せる口角を吊り上げた意地の悪い表情が狩屋の被虐嗜好を侵し、子宮を疼かせる。普段の大らかで広い心を持つ優しい霧野も勿論好きだが性行為を行っている時にだけ見せる加虐性欲で意地悪な霧野が狩屋は何よりも好きだった。何故ならそれはきっと自分という人間しか知らないであろう霧野の隠された人格だったからである。そのせいか狩屋は霧野に今のような表情をされてしまうと何も言えなくなってしまうし、ましてやいつものように歯向かった態度がとれなくなってしまうのだ。そんな色々な想いを胸に狩屋はゆっくりと自身の唇を開くと震えた声で言葉を続けた。




「お、俺の…ぉ…、おま…っ…こ…!…に、霧…の…せんぱ…い…の…ぉ…お、おちん…ぽ…っ…は、ハメ…て…っ…ずぽず…ぽ…して、く…下…さ…い…っ」




 余程、興奮しているのか先程よりも粘着性のある水音を響かせている狩屋の陰部を刺激しながら霧野は真っ赤な顔をして羞恥心の塊でしかない台詞をしどろもどろに溢す狩屋に言うことはそれだけだったか?と、如何にもわざとらしい口調で尋ねた。すると、いつまで経っても決定的な快楽を与えてくれない霧野にいい加減痺れを切らした狩屋は羞恥を飲んで今まで自身の背を預けていた霧野の身体から自身の身体を離らかすとそのままその場へと横たわり、慣れた手つきで下着を足首までずり下ろしてみせた。そして自らの脚を大きく開脚すると人差し指と中指を器用に使ってまだ毛も生えていない幼稚な恥部を霧野に見せつけるかのようにして晒けだした。




「せん…っ…ぱぃ…の…おちんぽ…っ、欲し…い…!」

「せんぱ…っ…の…おと、な…ちんぽ…っ…、ほし…っ…」

「…欲し…っくて…俺の…おま…っこ…、さっき…か、ら…うずう…ず、止まんな…っ…ぃ!!」

「お、っぱい…も…!!…痛、っく…しても…いいからぁ…!」




 故意的によって拡げられた割れ目の中心にある膣穴は何度も使用しているのにも関わらず使用感のある黒ずみなどは一切見せず、まるで熟れた果実のように赤みおびており、穴の内部から漏れ出ているぬらぬらとした粘液が蛍光灯の光を反射させていて何とも言えない絶妙ないやらしさを露わしている。普段ならば恥ずかしがってこんなにもまじまじと眺めさせてはもらえない其処に霧野が目を奪われていると何を勘違いしたのか狩屋は自らの首を持ち上げて、ブラジャーの上に盛られた胸の尖端に立つ乳首へと自身の舌を這わせ始めたのだった。




「ひぃ…っ、んん…、…きぃ…の…せ…っ…ぱぁい…」

「き…てぇ?」

「…お、れ…の中で…せっ…ぱい…、気も…ちく…なっ、て…下さ…ぁ…い、よ…」




 まるで乳のみ子のように自身の乳首を吸う様は柔軟性を備えた狩屋にだからこそ可能な行為であって普通の人間ならば余程の巨乳でない限り、不可能な行為だ。ちゅうちゅうという吸引音が霧野の雄を熱くさせる。




「はは、上出来だよ、狩屋」

「ん…っ、んん…!!」




 右手では自分自身が少しでも乳首を吸いやすいようにする為に胸を寄せ上げるという仕草をとり、尚且つ、左手では自らの恥部を拡げるという仕草を平然としてみせる狩屋を目の前にした霧野は思わず自身の口元が緩んでしまうのを抑えることが出来なかった。よくもまぁここまで淫乱に育て上げたものだと我ながらつくづく感心してしまう。




「ちゃんと上手にお強請りすることが出来た狩屋にご褒美をあげなくちゃな」




 と、呆れながらも何処か優越感に浸っているようにも見える表情をして、ものを言う霧野の言葉に狩屋は待ってましたと言わんばかりに今にも零れ落ちてきそうな涙を溜めた己の目を輝かせて嬉しそうに喜んだ。同時に狩屋が自らの指で拡げている膣穴がヒクヒクと小さく開閉をしたのを霧野が見逃すことは勿論なかった。




「あ、そうだ。…お前さ、前にも言ったけどセックスする時ぐらいは自分のこと俺って言うの止めろよな」

「ふぁ…、い」

「…ったく。絶対、聞いてないだろ」

「んぁ…あぁ…」




 横たわった狩屋の身体の上へ覆い被さるように自らの身体を重ねた霧野は自身の話に聞く耳を持とうとはしない狩屋に溜め息を吐きながらも、そんなところもまた愛しいんだよなぁと、未だにだらしなく開かれた狩屋の口内へ自身の舌を挿入させたのだった。そして充分な唾液でぬるついた狩屋の柔らかい舌に自身の舌を絡ませればその甘美な感触を貪り始めたのだった。



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