■それゆけ×××ハンター

▼アイランド/ギャグ/通信簿イベントラスト特典「○○のパンツ」系統の軽い下ネタ

 好きです! パンツ受け取ってください!!

 なんて言葉を人生で発する日が来るとは思っていなかった。私だって曲がりなりにも超高校級の才能を持っているため人生で普通じゃないことは何度も起きたが、しかし、恋愛でくらい普通の人生を送りたかった。
 とはいえ、私が下着(もちろん洗濯済みである)を好きな人に、日向くんに贈る羽目になってしまったのは事実であった。
 当の日向くんは、引くわけでもなく、困った顔をしていたが少々照れているような顔でもあった。私もそれを見て嬉しく思って微笑んだが、しかし、私のなけなしの理性はこう叫んでいた。
 なんだこの空間? 狂ってるのか?


 一応断っておくと、私がパンツを贈る羽目になったのは、私がひとりで狂っていたというわけではない。私にそんな性癖はない。強いて言えば、狂っていたのはこの島にいる全員だ。
 希望のカケラを集めないと、この島から出られない。私たちはそのため、この島にいる全員と絆を深めていた。そんな中、持ち前のコミュニケーション能力の高さを発揮していた日向くんは、あっという間にみんなのカケラを集めていった。
 そして風の噂で聞いた。私より先に日向くんと全ての希望のカケラを集めた人たちは、みんな自らのパンツを日向くんに渡していたということを。

「困ったもんだよな」
 日向くんは苦笑する。彼自身にも分からないことらしいが、何故か、みんなが日向くんにパンツを渡すのだ。本当に何故だ。日向くん以外と希望のカケラを集めても、パンツを渡すことはないのに……他の真っ当なプレゼントを渡すことはあるけど。
 とはいえ、「みんなが渡しているのに私だけ渡さないのも、告白が本気と見なされないのでは?」と思って渡してしまった私も、やっぱりおかしいのかもしれないけど。


「日向くん、私のパンツもらって困っちゃった?」
「え、えっと……そんなこと聞かれても困るぞ」
 本当に困った様子でうろたえる日向くん。そんな彼に、私はこう畳み掛ける。
「じゃあ、嬉しかった?」
「その質問はもっと困る!」
 顔を赤くして言う日向くんに、あはは、と笑う。すると彼は、そっぽを向いたまま、それでもはっきりこう言ってくれた。
「……けど、その……パンツがどうこうというよりは、お前が告白してくれたことは、嬉しかった」
 その言葉に私は、しばらく固まったあとで、そっと微笑んだ。きっと私の顔も赤くなっているのだろうと、そう思いながら。


 冷静に考えれば、これは、どこかおかしい恋だ。だけど、こんな恋だってあってもいいんじゃないかなと、私は密かに思うのだった。


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