■たとえ世界が変わっても
生まれ変わったら何になりたいか? 随分奇妙なことを聞くもんだな。
フン、たまには君のお喋りに付き合ってやるとするか。
もう日は落ちた。睡眠以外に、すべきことも無いからな。勿論、そこまで長話をしてやる理由も無いが。
生まれ変わったら何になりたいか――答えは決まっている。生まれ変わっても、このオレはDioだ……ディエゴ・ブランドーだ。たとえ何度生まれ変わろうと、このDioが世界を支配してやる。たとえ、オレが居なくなったとしても。
……もし、世界が変わったら、だと?
なんだか、分かったような口をするんだな。……まあいい。
たとえ世界が変わろうと、何度巡ろうと、オレがやることは変わらないさ。オレはオレとして、Dioとして、世界を支配する、それだけだからな。
……確かに、人間の命には限界があるな。それは認めよう。もし、永遠の時を支配できるようになれば、その限りでは無いがな。
だが――何があっても、オレは世界の頂点に立つ。その為には、なんだってするさ。
奪う。喰らう。そして、復讐する。そうやってオレは、今ここに立っているんだからな。
分かったら、もう寝ろ。寝ることも仕事だ。
忘れたわけじゃあないよな? オレがナンバーワンで、君がナンバーツーだ。オレたちは、ツートップでゴールすることしか許されないんだぜ。寝不足で君がこのDioの足を引っ張るようなら、……分かっているよな?
まだ喋り足りないのか? それとも、このオレに何か不満でも?
――そうさ、オレは変わらない。前世なんてものに興味は無いが、もしそんなものがあったとしても――オレは、ずっと昔から変わらないんだろうな。
考えを改めるつもりが無いのかだって? そんなもの、傍でオレを見ている君がよくわかっているじゃあないか!
そう。オレは何があっても、DIOという存在なんだからな。