円卓の中心に冷えた感情
世界をパックリ2つに分けると、東部と西部に分かれる。
昔より、その東側は他世界の中でも噂されるほどの優れたフロンティアワールド。
但しその裏側に隠れた西側は、古の昔より、争いの絶えない地となっていた。
序章 一時の休息により紅は幕を上げる
世界フェアニシア。
軽く纏めると、幾つもの異世界をつなぐ中心となった世界である。
異世界どうしの貿易等は全てこの世界を中心に賄われているのだ。
更に深く説明をすれば、異世界より集められた頂点なる最強人の集う学校があったりと、まあ国でいう首都的存在の世界バージョンと思うのが妥当だろう。
そんな世界フェアニシアの西部には大きな問題がある。
その原因となるモノを、この世界及び繋がる各異世界にまでの広範囲に及んで、者は口を揃えてメイレシア夢の水晶≠ニ呼ぶ。誰もが夢見る絶対神≠フ力が秘められたその水晶は元凶となり、メイレシア夢の水晶を手にした存在のみという理付きに、人類は皆生命を燃やしたのであった。
昔からこの世界は、異世界から来た特有の種族間での紛争が耐えない。
何故かといえばそれは財政であったり、中心となるこの世界のを手にすれば有利な点が幾つも散らばっているからなのである。しかしそれが、やがてメイレシア夢の水晶巡りとなり、各種族は対抗心と独占欲に精神を燃やすのだ。つまり気付けばそこには勝者がメイレシア夢の水晶を手にすることが可能という暗黙のルールが作られているのだった。
ただ、それよりも今回は重大な問題が起きたという。
「それでは第一回フェアニシア民族会議を始める」
男の声、その主はこの世界で勇者と何ともケチ臭い称号を得る偉いさんだ。
種族紛争の絶えない土地とは無関係の、まあ詳しく説明すれば面倒な存在な為、今は種族達が逆らえぬ世界の偉いさんだと思っておいてくれたまえ。
世界フェアニシアの中心都市、スキンテミシア。
その一角にあるロイレシア会議場にて今まさにその会議が開かれようとしていた。
「確認だが、今回の議題は"妖魔ラユナ"についてだ」
妖魔ラユナ。
近年力を伸ばしている種族。ただ、その数はこの世界で蠢く種族の合計近くにまで勢力を伸ばしており、このままだと水晶は愚か、他の種族の絶滅の危機にまで直面することになる。
ただ、それだけならば偉いさんも許すことであろうが、妖魔ラユナに隠された裏側はそれではないのだ。
妖魔ラユナは極めて戦闘能力、知識、と全てに万能かつ優れている。そして、仲間以外は全て証拠までもを殺害しに来る。
ラユナが目指しているのは紛れもない、“世界征服”。
ああなんて安くさいのだろう。
いいえ、それが彼ら種族達、そして偉いさんにとっては十分に世界的大きな問題だったのである。
そして今回開かれたこの民族会議はそれに対する対策という訳だ。
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開・幕☆
序章の癖して滅茶苦茶キャラクター出てきますが、
序章の間は覚えなくて結構です。
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