小説 | ナノ


それでわかったことは1つ。聡くんよりも王道くんの方が親衛隊に睨まれてしまっているらしい。会長さんの親衛隊らしき人は聡くんを射殺さんばかりに睨んでいるが、(また良い比喩を使った。嬉しい。)その他大勢はオタクだの根暗だの聡くんのイメージからかけ離れたワードを使って悪口を言っている。多分王道くんのことなんだろう。

聡くんも心配だけど王道くんも心配だな。ぐるぐる眼鏡が割れないと良いけど。

周りはいつになく騒ついているけど、授業開始のチャイムが鳴り、先生が入ってくると皆しーんと大人しくなった。さすがだね。よし、現代文の授業頑張ろう!



と言いつつ、静かになったのは最初だけで、段々と話し声が大きくなり休み時間のような騒つきに戻ってしまったり、伊織くんも相当煩くなって先生の声が聞こえなくなったからつい伊織くんの頭を筆箱で殴ってしまったら皆しーんとして僕をガン見てしてきたり、聡くんが舌打ちしたら皆一斉に黒板に向き直ったり、現代文の時間は一筋縄ではいかないものだった。




その後の授業も煩くて先生の声が全く聞こえず、黒板に書いてある内容を頑張って自分で読んで理解していかなくてはならなかった。先生も先生できちんと注意をして欲しい。威厳の見せ所なのに。皆して草食系なんだから困っちゃうよね。



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