小説 | ナノ


とにかく親衛隊の刺客からの攻撃を避けながら新入生歓迎会を楽しまなくてはいけないわけだ。楽しそうにしてないと歓迎してくれる皆さんに申し訳ないしね!ところで新入生歓迎会って具体的に何をするんだろう?僕の希望としては新入生の言うことを1日何でも聞いてあげるとかが良いな。歓迎なんだからそれぐらいのことして欲しいな。

お説教が終わって僕達はさっさと教室に向かう。ちょうど一時間目と二時間目の休み時間だ。一時間目はお説教で出席出来なかったけど僕の嫌いな体育だったからラッキーだった。僕達、というか聡くんを睨み付けている小さな男の子達は親衛隊かな?あんなに小柄でも強いなんて凄いよね。どんな訓練をしているんだろう。

あちこちからの視線にイライラが募った聡くんが耐えかねて舌打ちすると皆一斉にそっぽを向いた。どっかのテレビでやっていた集団行動パフォーマンスを思い出した。

「聡ちゃん、柄悪いって。怯えちゃって可哀想で可愛いー。」

伊織くんが労っているのか馬鹿にしているのかわからないことを言った。それで親衛隊員は悔しそうにこちらを見た。確かに可哀想で可愛い。

僕がじっと見て目が合うとそそくさと目をそらされた。悲しいな。いつも思うけど僕がガン見すると皆気まずそうに目をそらしたり後退りするのは何でだろう。僕はそんなに目付きが悪いのかな。目付きと言えば聡くんの方がきつい気がするんだけどな。

…まぁ、メデューサの力を受け継ぐ僕の目が怖いという人間の気持ちもわからないでもないぞ……。か弱い人間どもの為に溢れ出る強大な力を少しばかり抑えてやろう…。

おおっと、これじゃあ厨二病みたいじゃないか。厨ニ病は恐ろしい病だから予防線張っとかないとね。


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