小説 | ナノ


王道くんも副会長さんに肩を抱かれて回収された。生徒会だけあってやっぱり綺麗だなー、と思って副会長さんを見てたら睨まれちゃった。

「と、とにかく、聡に何かしたら俺、怒るからなっ!!」
「逢…。」

王道くんが顔を真っ赤にして怒ったように言うと、周りの人達は困った顔をした。王道くんは優しいなぁ。

「わかったからもう帰れ。」

風紀委員長が頭を押さえて疲れたような顔で言う。頭痛いのかな。大丈夫かな。と思ってたら風紀委員長にこっち見られた。怖い。

「そこの3人は残れよ。」

そこの3人って僕達のことかな。えー、怒られちゃうの。

「おい!聡に何かするつもりだろっ!何でそんなことするんだよっ!」
「逢、後のことは風紀に任せてもう帰りましょう。」
「そうだよぉ〜。」
「で、でもでもっ!聡が停学とか退学とかそんなの許さないっ!」
「そんな処罰は下さないから早く帰ってくれ。」

あの風紀委員長が面倒くさそうにしてる。いつもは皆に厳しくお説教してるのに王道くんはいいのかな。風紀委員長の人間らしい一面が見えたね。

王道くんが周りの人達に連れていかれるのを見届けながら、やっぱりあの眼鏡欲しいなぁ、と思った。


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