小説 | ナノ


伊織くんの話では王道くんは類い稀な真のKYらしいよ。ていうかさ、伊織くん昨日何回かKYっていう言葉使ってたけどKYって若干死語だよね。何年か前には僕もKYって言葉にハマってて乱用してたんだけど最近は使わないなぁ。

「如月。」
「逢って呼べよっ!友達なんだから!」
「…それ以上騒ぐなら拘束室にでも行くか?」
「は?何だそれっ!?」
「貴様風紀っ!逢は何も悪くないだろう!」
「そうですよさっさと小野塚聡を退学すれば良いんですよ。」

出たよ、拘束室。風紀室の奥の方にドアがあるんだけどそのドアの向こうが拘束室だよ。風紀で暴れちゃうご乱心な人を静めるらしいんだけど聡くんの話によるととりあえず拘束されるらしい。

聡くんも何回か、ていうか風紀室に来る度に入れられちゃうんだよね。

ていうか聡くん退学になるんだ。淋しくなるね。1ヶ月の付き合いだったけど楽しかったな。聡くんとは寮が同室だったし色々とお世話になったな。

「聡くん。転校しても友達だからね。」
「転校なんかしねぇよ。」
「あ、そうなんだ。良かった。」

聡くん、転校しないみたいだよ。金髪の人、多分副会長さんが言ったことは冗談だったのかな。世の中にはわかりにくい冗談を言う人がいるんだね。


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