小説 | ナノ


ふー、と息を吐いた。美味しかった…。満腹。あぁー、幸せだなぁ。また食べに来る、これ決定事項。

「ハァハァ王道萌王道萌王道萌…!」
「うぅ…ホント何だこいつ…。」
「南伊織、健全な腐男子をやらせて頂いておりますっ!」
「聡くん、伊織くん。」
「何だ。」
「どうしたのん?KYせいちぃ。」

KYだなんて心外だな。僕はちゃんとしてるのに。でも確かにさっきまで伊織くんが何を話してたのかあまり聞いてなかったからKYと言われても仕方ないかも。でもそれは本当にKYなわけじゃないよ。

「食べ終わったから帰るね。」
「じゃあ俺も帰る。」
「えぇー、まだ王道見てたいぃー!」
「お前誰だ!?」

聡くん、伊織くんに続いて話し掛けてきたのは何ともじゃもじゃ髪のぐるぐる眼鏡の子だった。あのぐるぐる眼鏡どこで手に入れたのかな。僕も欲しい。

すると聡くんがその子を思いっきり殴って、その子のぐるぐる眼鏡が外れてテーブルの上に落ちた。聡くん何してくれてるのさ。こんな場所にぐるぐる眼鏡を落とされたら欲求が抑えられないじゃないか。…これ、ちょっとだけ触っていいかな。あわよくば試着したいんだけどな。



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