小説 | ナノ
「「「キャァァァァァァ!!!」」」
フルーツタルトに見惚れているとまたさっきと同じような絶叫が聞こえた。ちょっと気になるけど今はこのフルーツタルトに集中しなきゃ。
ナイフで切るとすーっと入って端のクッキーの部分でさくっと切れる。わぁ、爽快。まずは6当分に切るからまだ何回か切れるよ、嬉しいな。
「キターーーーー!!!王道くん、早速クラスの爽やか王子と小悪魔姫様をモノにしたかぁ!同室者一匹狼フラグはなかったようだが姫様でもよしっ!!つーか不良と言ったら聡ちゃんだから仕方ないか!」
伊織くんも叫んでビデオカメラを構え出した。そういえば食堂のイベントを撮るとか言っていたような。食堂でランチショーでもやるのかな。王子とか姫とか言ってるし。あとオムライスに幅を利かせている王道くんも出るみたいだね。ちょっと気になるけど今はやっぱりこのフルーツタルトに集中しなきゃ。
切り分けたフルーツタルトを小皿に移すときに乗っているフルーツが落ちないかどうか、小皿にちゃんと立たせて置けるかどうかハラハラドキドキするのがまた1つの楽しみでね。上手く出来るかな。僕は不器用だから。慎重に慎重に。
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