小説 | ナノ


「今日は食堂に行くしかない!!!」

1時間目を森で過ごして2時間目との休み時間に教室に行って席に着くとすぐに伊織くんが机を叩いて言った。どうしてだろう。いつも食堂なんか行かないのに。

「駄目に決まってるだろ。成一に何かあったらどうする。」

食堂には行ったことがないんだ。聡くんが食堂嫌いみたいだから連れて行ってもらえないんだ。食堂ってそんなに危険な場所なのかな。ただ食べるだけの場所じゃないみたいだね。

「今日だけは食堂に行かないと腐男子の名が廃るってばよ!!!食堂で起こる超お楽しみ瞬き厳禁萌え萌えイベントを1秒残らずこのマイビデオカメラに収めなければ!まぁこれから起こることなんてこの南伊織には全てお見通しだけどねっ!だから食堂行かせろ!俺に王道達の素晴らしき萌え絡みを堪能させろっ!聡ちゃんがいればせいちぃに手を出す馬鹿なんていないし良いだろ!?今日は絶対食堂じゃなきゃ駄目なんだよ!」

一息で言い切った伊織くんはぜぇぜぇと息が上がっていた。早口で何言ってるのかほとんどわからなかったけど、迫力があるなぁ。あんな長文を一息で噛まずに言えるなんて滑舌が良いね。


prevnext