小説 | ナノ


大音量の主であるもじゃ男が生徒会役員などの取り巻きをつれて達がいる教室に入って来た。俺達以外誰もいないのですぐさま俺を視界にとらえた。

「蓮っ!やっと会えたなっ!久しぶりっ!食堂行こうぜっ!!」

ずかずかと大股で近寄って来るもじゃ男が弾んだ声で俺に話しかける。俺がもじゃ男を全力で避けているせいか面と向かって会話をするのはファーストコンタクト以来で確かに久しぶりだった。

もじゃ男もよく飽きないなぁ。

「あーーーーっ!!!」

俺がしつこいもじゃ男に対して鬱陶しさを感じていると、もじゃ男は終始顔をしかめている拓弥を指差して叫んだ。

「何でこいつが蓮と一緒にいるんだよっ!?」

気付くの遅くないか。指を差された拓弥はフンッと不機嫌そうにそっぽを向いた。今は椚の件で怒り心頭なのにもじゃ男が絡んでくるなんてタイミングが悪い。

拓弥の無愛想な態度にもじゃ男だけでなく取り巻き達も口々に文句を言う。

「お前!蓮を騙して何やってんだよっ!」
「あなた真灯留に対して失礼じゃありませんか?」
「そうだよー。俺達の興味でも引く気ぃー?」
「はっ、いつまでも最低な奴。」

あ、そういえば羽根の姿が見えない。あの一件から羽根とは通りすがる時に軽く挨拶をしたりしている。ずっと気になっていたのだが羽根ってどうやってもじゃ男の誘いを断っているのだろう。今度教えてもらおうか。

拓弥が今にもキレそうなので軽く現実逃避をしていたが、もじゃ男が俺に向かって喋り出したことで現実に引き戻された。

「蓮っ!こいつ前は千鳥の親衛隊隊長で制裁とかするすげぇ悪い奴なんだ!こんな奴なんかと一緒にご飯食べちゃいけないぞ!!」




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