小説 | ナノ
苦しみから解放されたのは職員室の前だった。宮下は俺をここに待たせるとおもむろに段ボール箱を2箱、俺の前に置いた。嫌な予感がした。
「中は全部いらない資料な。この2つゴミ捨て場まで持って行け。」
「何でだよ。」
「てめぇのせいで朝の職員会議でとばっちりくらったんだよ。生徒には人気だけど仕事は出来ないんだなってよぉ…、てめぇらが使えねぇから俺が出張してやったのによぉ…、何だあの態度は、ぶん殴りてぇ…。」
なるほど不機嫌なわけだ。俺が頼まれた資料はどうやら今朝の職員会議で必要だったらしく、俺が資料を運ばなかったせいで宮下は怒られ、その腹いせに俺にこの段ボール2箱をゴミ捨て場まで持って行かせようというわけか。
「じゃ、HRには遅れるなよ。遅れたらぶん殴る。」
「いやいやいや。そんな無茶な。」
「あ゙ぁ゙?」
俺が抗議すると殺気を帯びた睨みをきかされた。俺が怖気付いて固まっていると宮下は不機嫌な顔のまま職員室に入って行った。
こ、こわー…。
なにげに宮下に怒られたの初めてなんだけど。あんな怖い顔するのか。ヤクザかよ。
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