小説 | ナノ



「れーーーん!!いつになったら俺と食堂行ってくれるんだよー!!起きろーー!!」

最近日課のように毎朝もじゃ男が俺を朝食に誘う。俺は食堂には行かない派なのでいつも部屋にこもって寝ているフリをし、三寺がもじゃ男を連れて行くのを待つ。

「桐矢は一緒じゃなくて良いよ。まだ寝てるし。」
「何だよまた夜遊びか!?そんなのダメだ!友達の俺がちゃんと叱ってあげないと!」

玄関で三寺と話しているのがかすかに聞こえる。…夜遊びなんかしてないって。というより理事長との約束で出来ないって。理事長の甥なんだからそこら辺は以心伝心でわかって欲しい。

「真灯留は優しいね、本当に良いコ。でも早く行かないと食堂混んじゃうよ。」
「そうだな!千鳥達も待ってるし!明日こそ蓮も連れて行く!!」

毎度毎度同じようなやり取りで2人は去って行く。

静かになったのを見計らって部屋を出る。冷蔵庫にあるヨーグルトで朝食を済ます。朝の身支度をし、登校する時間まで適当にテレビを見ていると、

ピンポーン

玄関の呼び鈴が鳴った。三寺が朝食から戻ってくる時間にしては早すぎるしあいつはカードキーを持っているはずだから自分で開けられるはずなのだが。忘れたのだろうか。ここの玄関はオートロックだからカードキーを忘れると入れなくなるからな。

そんなことを思いながら玄関へ向かった。


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