小説 | ナノ
SIDE:拓弥
実質1人部屋の寮部屋に帰ると、リビングのソファーに飛び込んだ。
「ぬぅぅぅぅぅ!!」
1人きりなので何の気兼ねなく呻くことが出来た。
明日が楽しみで仕方ないとかそういうわけではない。久しぶりに他人と会話が成り立ってすごい嬉しいとかそういうわけではない。もしかしたら今日のことを利用して桐矢蓮と友達になれるかもとか期待とかそんなのしてない。
「…。」
……明日の朝、桐矢の部屋まで行っちゃおうか。でも挨拶ってどうすればいいんだろう。おはよう!とか言ったら馴れ馴れしくて引かれないかな…。でもあんまり無愛想だと嫌われるかも…。
ていうか今日知り合ったばかりなのに朝迎えに行くって変だよな。もじゃ男みたいで嫌われるかも。
「あぁぁぁぁぁ!」
もう1人ぼっちじゃなくなるのは嬉しいけど、桐矢との接し方がわからん!今はまだ友達じゃなくてただの知り合いだろう。どうやったら友達になれるんだろうか。俺は昔どうやって仲良くなっていたのだろうか。
「んーーーー!」
ソファーに身体を埋めて足をじたばたさせる。早く明日になれよ馬鹿野郎。
SIDE END
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