小説 | ナノ
「…へー、なるほど。」
俺達がこの保健室に逃げ込むまでの過程を音無に話すと考えこむ様子で相づちをうった。こういうところは風紀委員っぽい。
「君たちは顔だけは良いからね。どうする?今の桜香は鈴代くんが来てから荒れてて、顔がよくてちょっと気に入らない君たちみたいな人は襲われやすいし。風紀の護衛でもつけるかい?」
顔だけは良いって何だよ。ちょっと気に入らないって何だよ。
引っ掛かる言葉もあったが真面目な雰囲気だったので気にしないことにした。
この学園の特徴の1つで襲われやすい生徒には風紀の護衛をつけることが出来る。しかし四六時中後をつけられてて監視されてるみたいで気分が悪い。
「えー…。」
新崎も同じことを思ったのか嫌そうな顔をする。もともとつり目だから睨んでいるように見える。
「俺もちょっと嫌かもー。」
俺も新崎にノッて言う。すると音無なまたもや考えこむ。
「まぁ、君たちが嫌なら良いんだけどさ…。でもね…。」
困っている。すんなりお願いすれば良かったのか。俺が悪かったからそんな面倒そうな顔しないでよ。それでも護衛はいらないけど。
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