小説 | ナノ
「…もじゃ男って鈴代転校生のことか?能無し顔だけ集団じゃあるまいし誰があんな奴と仲良くするかっつの。ていうか、もじゃ男、って、もじゃ男。」
思った通り盛大に嫌そうな顔をした後、「もじゃ男」という言葉が気に入ったのかにやけながら「もじゃ男」を繰り返し言った。
「…能無し顔だけ集団って…。」
一方の俺はおそらく生徒会を指すであろう新崎の悪態に若干引いていた。生徒会のことが好きじゃないというかむしろ嫌いなのではないのか…。
「ていうかそのもじゃ男のせいで俺が襲われそうになったのに何でそいつと友達にならなきゃいけないんだよっ!」
事の本質に気付いた新崎が声を荒げて言う。
「あー全部あいつのせいだーっ!俺の生活ぶち壊しやがって!ムカつく死ね!」
そして段々と腹が立ってきたらしく憎々しげに言う。さっきの、人生諦めたみたいな様子とうって変わって感情的に怒鳴るようにもじゃ男をけなす。ちょっとうるさい。
その時、保健室のドアがガラッと開き、
「暗いとこで何やってんの。ユイちゃんに突き出すよ?」
という声とともに保健室の明かりがついた。
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