小説 | ナノ


親衛隊の幹部は生徒会などの親衛隊持ちのイケメンと同じくらい丁重に扱われる。親衛隊の幹部は生徒の中で生徒会や風紀に次ぐ権力を持っていて、それに加え代々幹部は性悪の短気と相場が決まっていた。私用で制裁することもしばしばあり、いじめ大好き人間の集まりみたいなものだったのだ。

つまり、新崎が性悪でなくとも親衛隊の幹部である限り一般生徒からは好かれない。もっと言うと親衛されているイケメン達も自分達を孤立させる親衛隊が大嫌いだ。そして嫉妬されやすい顔の新崎だ。親衛隊は親衛隊の中でしか仲良く出来ないのに新崎はそれすらも叶わなかったのか。

「…何だよその憐れみの目は。俺をそんな目で見るな!お前だって似たようなもんだろぼっちが!」
「俺は男なんか興味ないからー。ぼっちとか気にしないからー。」
「…ま、別に俺も気にしてはないけどね?」

新崎がすまし顔を作って強がるように言った。何だよ、やっぱ気にしてるじゃん。…俺は本当に気にしてないからね、女の子がいれば人生明るいし?

「もじゃ男ならお前でも友達になってくれるんじゃないか?」

新崎が嫌がるのをわかって面白半分で聞いてみた。あんな奴と友達になりたい猛者は本当にいるのだろうか。


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